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市販されているキシリトールガムで一番効果が期待できるもの

スーパーやコンビニのガムコーナーには、たくさんの種類のガムが並んでいます。
最近は、キシリトール入りのガムも多く販売されていますが、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
そこで、今回はガム選びのポイントについて詳しく見ていきましょう。
こちらの記事もあわせてお読みください。
・歯のエナメル質の傷は自然に修復する!エナメル質を守ってむし歯も予防
目次
キシリトールとは
キシリトールは、北ヨーロッパの国々でよく使われている甘味料です。
口に入れるとひんやりとした清涼感があり、後味がすっきりしているのが特徴です。
その安全性はWHO(世界保健機関)やFAO(国際食糧農業機関)によって認められており、日本でも1997年に厚生省(現在の厚生労働省)から認可されました。
ちなみに、「xylitol(キシリトール)」という発音は日本独自のもので、正式には「ザァイラトール」と発音されます。海外で「キシリトール」と言っても通じないことがあるので注意しましょう。
キシリトールの特徴
キシリトールには、主に3つの特徴があります。
① 砂糖と同じ甘さでカロリー控えめ
キシリトールは砂糖とほぼ同じ甘さですが、カロリーは約25%オフ。甘さを楽しみながら、カロリーを抑えられます。
② むし歯の原因になりにくい
通常、むし歯の原因となるミュータンス菌は、糖を分解して酸を作り出し、歯を溶かします。
しかし、キシリトールはミュータンス菌が酸を作れない糖分であるため、むし歯リスクを減らせます。
ただし、他の栄養素によってむし歯ができることもあるため、完全に防げるわけではありません。
③ 歯を修復する力を助ける
食事をすると、歯の表面のミネラルが溶け出す(脱灰)ことがあります。これが初期のむし歯です。
キシリトールは唾液の働きを助けて、歯にミネラルを戻す(再石灰化)作用があるため、歯を健康な状態に保つサポートをしてくれます。
どのようなガムがいいか
ではキシリトールガムを選ぶポイントを見ていきましょう
① キシリトール含有率が50%以上のものを選ぶ
むし歯予防の効果が期待できるのは、キシリトール含有率50%以上のガムと言われています。
パッケージの成分表をチェックし、以下の計算式で確認しましょう。
▶ キシリトール含有率(%) = キシリトール(g) ÷ 炭水化物(g) × 100
② 糖類が0gのものを選ぶ
キシリトールが入っていても、糖類が含まれているとむし歯リスクが上がるため、糖類0gのものを選びましょう。
せっかくキシリトールを摂取しても、むし歯菌が大好きな糖類が多く含まれていると、むし歯予防効果も減少してしまいます。
パッケージの成分表を確認し、糖類の有無をチェックしてください。
また、ソルビトールやマルチトールなどの甘味料は、キシリトールと同じくむし歯になりにくいとされています。
③ 酸性成分を含まないものを選ぶ
クエン酸や果汁入りガムなど、酸性の成分が含まれているものは注意が必要です。
酸が強いと、歯の表面からミネラルが溶け出す(脱灰)可能性があるため、酸性成分が少ないものを選ぶのがおすすめです。
キシリトールガムをどのように摂取すると効果的か
キシリトールを摂るタイミングはいつでも大丈夫です。中でも食後や食間後が効果的と言われています。
お口の中に残った酸や糖分を唾液で流すために、歯磨きの前に噛むのが効果的です。
一番効果の高いキシリトール入りガムはどのようなものか
先ほど述べた内容をもとに見ていきますと、実は市販のキシリトールガムよりも、歯科医院で販売されている専用のキシリトールガムがおすすめです。
同じ商品名でも、歯科専売品の方がキシリトールの含有率が100%と高いものが多いため、効果が違います。
むし歯予防としてキシリトールガムを噛む場合は、1日5グラム以上が必要だと言われています。
キシリトール含有率が低いほど、他の糖類などが多くなり、1日に必要な量のキリシトールを摂取するためには、何粒も食べなければなりません。
市販のキシリトールガムとの違い
市販のガムはキシリトール含有率が低めなため、むし歯予防に必要なキシリトールを摂るには 1日14粒(約1本分)が必要になってきます。
それだけの量を毎日噛むのは大変で、味や食感にも飽きてくるでしょう。
一方、歯科医院専売品の場合は、キシリトール含有率が100%のため、1日に4粒ですみます。
朝・昼・夕・就寝前の歯みがき後の4回、そして1回に20分ほど噛むほうが、まだできそうです。
長時間ガムを噛むことで唾液の分泌も活発になり、むし歯予防効果もより高まります。
効果的な噛み方のポイント
- 1日3~4回(朝・昼・夕・寝る前など)に分けて噛む
- 味がなくなっても5~15分噛み続けると、より唾液が出て効果的
歯科専売のキシリトールガムを活用して、むし歯予防をしっかりしていきましょう!
歯の定期メンテナンス、ご相談は、梅田・西天満・南森町のスマイリー歯科にお任せください。
記事の監修
著者
吉村 佳博
医療法人わははグループの理事長であり総院長。家族3世代で通える地域に根差した歯医者を目指し、一般診療から審美・美容まで幅広く診療する総合歯科を運営。グループ総スタッフ人数80人、法人全体の年間来院数は約50,000人。 歯科医院大阪歯科大学を卒業し、大学院では博士課程を修了。平成7年6月に「よしむらファミリー歯科」を開院。平成18年5月には「スマイリー歯科」を開院。平成18年5月には「スマイリー歯科」を開院、令和6年7月には「あべのグリーン歯科」、令和6年10月には「すみのえグリーン歯科」を開院。