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妊娠初期に虫歯治療はできない?妊婦の虫歯に関する正しい知識

投稿日:2023年2月21日 更新日:

虫歯の治療に悩む妊娠初期の女性

こんにちは。「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」の院長を務める吉村 佳博です。

「妊娠しているときは歯医者さんに行ってはいけない?」

こんな話を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。

「歯科医院での虫歯の治療がお腹の中の赤ちゃんに良くない影響を与えるのでは?」

と考えられている方もいらっしゃると思いますが、実際には悪い影響を与えるようなことはございません。

ただし、妊娠初期(妊娠1~4ヶ月の時期)の方の場合には、虫歯や歯周病になりやすかったり、虫歯や歯周病の本格的な治療が受けられなかったりと、気をつけないといけないこともございます。

そこで今回は、妊娠初期の方の虫歯治療や虫歯や歯周病になりにくくするためのケアについて書かせていただきます。

こちらの記事もあわせてお読みください。
赤ちゃんでも虫歯に!正しい予防法となった場合の対処法
虫歯は遺伝!?注意しなければならない虫歯の原因と予防

妊婦の虫歯治療で赤ちゃんへの影響が懸念されている3つのこと

妊娠されている方が虫歯の治療を受ける中でも、特に以下の3点が母体や赤ちゃんに良くないと考えられているようです。

  • 虫歯の状態を確認するためのレントゲン撮影
  • 虫歯などの治療時に使用する麻酔
  • 歯の痛み止め(鎮痛剤)の服用

これらのことが影響して、早産になったり、出産のときや赤ちゃん自体に悪影響を及ぼすと思われている方も多いようですので、順番に説明させていただきます。

虫歯の状態を確認するためのレントゲン撮影

レントゲン撮影は、虫歯の進行状況などを確認するために必要ですが、そのレントゲンで使用される放射線が、お腹の中の赤ちゃんに影響を与えるのでは?と心配される方が多いのも事実です。

実際に、放射線を使用して撮影をしていますが、母体にも赤ちゃんにも影響が出ない放射線量を使用していますので、問題はございません。

虫歯などの治療時に使用する麻酔

虫歯や歯周病などの治療時に使用する麻酔についても、使用量をしっかりと計算して使用していれば、母体にも赤ちゃんにも影響が出ることはありません。

中には、麻酔を使用せずに痛みを我慢して治療を受けられる方もいらっしゃいますが、痛みに耐えるストレスよりは、麻酔の方が心配が少ない場合もあります。

歯の痛み止め(鎮痛剤)の服用

歯の痛みが治まらず、痛み止めの効果がある鎮痛剤などの薬の服用される方もいらっしゃると思いますが、この鎮痛剤の中には、「アスピリン」や「イブプロフェン」という成分が含まれているものがあり、これらの薬に含まれる成分がお腹の中の赤ちゃんに悪影響を与える場合がございます。

そのため、どうしても痛みが我慢できないときを除いては、鎮痛剤の服用は避けた方がいいでしょう。

しかし、どうしても痛みが我慢できないというときもあるかと思いますので、その場合は、アスピリンやイブプロフェンが入っていない痛み止めの薬を選択して服用するようにしてください。

アスピリンやイブプロフェン以外にも、妊娠の時期によって使用が禁止される成分もありますので、服用の前に専門家などに確認することをオススメします。

また、痛みがある部分を氷などで冷やすことも有効な手段です

古典的な方法のように感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、血行を抑えることで痛みが和らいだり、冷やすことで感覚が麻痺して痛みを感じなくなります。

歯の状態によっては、冷やすことが良くない場合もありますが、痛みを抑える応急処置として試してみてはいかがでしょうか。

妊娠初期の方の歯の治療は応急処置のみが基本

妊娠中の方の虫歯や歯周病の治療では、妊娠から5~8ヶ月が経過し、安定期に入ったときに本格的な治療を行う場合がほとんどです。

そのため、妊娠初期(1~4ヶ月)の方については、痛みを抑えたり、簡単に歯を詰めるなどの応急処置で対処します。

これは、つわりなどもある妊婦さんの体調面なども考えてのことですので、妊娠初期の方が歯医者に行った場合には、診療を受けられる前に妊娠何ヶ月かを伝えた方がいいでしょう。

妊婦さんは虫歯になりやすいので丁寧なケアが大切

妊娠初期のときは、女性ホルモンの変化などにより、歯茎が腫れやすかったりして、歯肉炎や歯周病になりやすいことがあります。

また、つわりなどによって、歯をしっかりと磨けなかったり、口腔内を清潔な状態に保つことが難しい場合もあります。

そのような場合は、歯ブラシを使用した歯磨きができなくても、口の中を水でゆすぐなどするだけでも、口腔内の清潔を保ちやすくなりますので、オススメです。

その他、虫歯の予防としては、歯医者での歯のクリーニングも有効です。

歯のクリーニングについては、レントゲン撮影や麻酔などを行わないため、妊娠初期の方でも同じように通常のクリーニングを行うことができます。

2~3ヶ月に1度、歯医者で歯のクリーニングを行うことで、虫歯や歯周病になりにくくなりますので、妊娠前から歯のクリーニングを行われていた方はそのまま継続して、妊娠前は行っていなかった方も歯のクリーニングを始められることをオススメします。

妊娠1~4ヶ月くらいの妊娠初期の方は、虫歯や歯周病になりやすい状態になりますが、本格的な治療が受けにくい状況でもあります。

虫歯や歯周病は、お母さんから赤ちゃんに経口感染することもありますので、妊娠初期の段階からしっかりと予防して、虫歯や歯周病にならないように注意してください。

  • 記事の監修

吉村 佳博

「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」院長。一般診療から審美・美容まで幅広く歯に関して取り組んでいる。大阪歯科大学を卒業し、大学院では博士課程を修了。JR大阪鉄道病院に就職の後、平成7年6月に「よしむらファミリー歯科」を開院。平成18年5月には「スマイリー歯科」を開院した。

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