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歯槽膿漏(歯周病)だけが口臭の原因ではない ホントの口臭の原因とは

投稿日:2023年2月26日 更新日:

歯槽膿漏に悩んでいる歯

こんにちは。「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」の院長を務める吉村 佳博です。

エチケットとして口臭に気を付けている人は多いかと思いますが、実際のところ、口臭だけでなく体臭など、自分自身のニオイというのは気付きにくいものです。

とはいえ、他の人のニオイには敏感に反応してしまうことも多いので、自分自身の口臭や体臭は本当に大丈夫なのか気になっている人も多いことでしょう。

そんな口臭の原因として、歯槽膿漏(しそうのうろう)を心配されて歯科医院に来られる人もいらっしゃいますが、実は、歯槽膿漏を治療しても口臭が治らない場合もございます。

今回はそんな歯槽膿漏と口臭の関係についてご説明させていただきます。

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歯槽膿漏(歯周病)は口臭の直接的な原因ではない

「歯槽膿漏」というと、「膿」(うみ)という字が入っているので、この膿から臭いが発生して口臭の原因となっているのではないか?と考えられる人もいらっしゃるのではないでしょうか。

実際に、膿から臭いは発生しますが、その臭いが他の人を不快にするほどの口臭にはなりません。

口臭の主な原因となっているのは、以下の4点です。

  • 細菌が歯垢を分解したときの臭い
  • 歯と歯の間や歯茎に詰まった食べ物のカスが腐ったときの臭い
  • 喉の奥に詰まっている臭い玉(膿栓)
  • 胃腸が弱っている

細菌が歯垢を分解したときの臭いや、歯と歯の間や歯茎に詰まった食べカスの腐敗臭は、歯垢や食べカスが溜まらないようにすることで、口臭を防ぐことができますので、歯槽膿漏を治療して歯茎の痩せなどを改善することは口臭に対して効果があります。

臭い玉は、膿栓(のうせん)とも言われ、咳やくしゃみをしたときに口から飛び出してくる、白い小さな玉のようなもので、この臭い玉を潰したりすると、ドブの中ような強烈な腐敗臭がします。

ドブの様な匂いがする理由としては、臭い玉そのものが食べ物のカスや細菌の塊で、喉の奥に引っかかって腐敗してしまっているからです。

そのため、この臭い玉が原因で口臭が発生している人は、歯槽膿漏を治療しても口臭は残ってしまうことがあります。

また、弱った胃腸の人も、その原因は歯槽膿漏以外の部分にありますので、歯槽膿漏を治しても口臭は治りません。

歯槽膿漏が関連しているものもありますが、このように歯槽膿漏とは関係がないものもありますので、歯槽膿漏が完治したからといって、口臭が改善されるとは限りません

ちなみに、最近、歯槽膿漏という言葉をあまり聞かなくなったり、歯周病を聞くことが多くなったと感じられる人もいらっしゃると思いますが、歯槽膿漏と歯周病は同じものです。

以前は歯槽膿漏と呼ばれていた歯の病気を、近年では歯周病と呼ぶようになりましたが、特に症状や治療方法が変わったということはありません。

口臭にならなくても歯槽膿漏の放置は危険

歯槽膿漏を治しても口臭が改善されるとは限らないといって、歯槽膿漏は歯や歯茎の病気ですので、放置してしまうと歯茎が痩せて最終的には歯が抜けてしまいます。歯槽膿漏(歯周病)と診断された人は、まず歯槽膿漏から治していくことが大切です。

歯槽膿漏の主な原因は、歯と歯茎の間にできた歯周ポケットに入り込んだ細菌で、この細菌が歯や歯を支える歯槽骨を溶かしてしまいます。

歯茎が腫れてきたり、ムズ痒さを感じた場合には、歯槽膿漏を考え、すぐにでも歯医者で診察を受けた方がいいでしょう。

歯槽膿漏は歯科医院でのクリーニングと毎日の歯のケアで改善

歯医者の診察を受けて、歯槽膿漏と診断された場合、以下のような治療やケアが有効です。

  • 歯医者でのクリーニング
  • 歯医者での歯磨き指導
  • 電動歯ブラシの使用しての歯磨き
  • 歯間ブラシの使用してのケア

歯槽膿漏を改善するためには、まず第一に歯垢や食べ物のカスを除去してしまうことが大切で、その次に歯垢や食べ物のカスが溜まらないように丁寧にケアすることが有効です。

歯科医院でのクリーニングで歯垢などを除去した後は、しっかりとした歯磨きを行うために、歯科衛生士さんなどの歯磨き指導を受けたり、電動歯ブラシや歯間ブラシを使い、口の中を常にきれいな状態に保つようにしていきます。

なお、老化で歯茎が痩せて、その間に食べカスが詰まって歯槽膿漏になることもありますが、老化による歯茎の痩せはなかなか治せませんので、歯医者での定期的なクリーニングや歯磨きなどの毎日のケアが重要になってきます。

毎日のケアで口臭の出ない健康な歯や歯茎にする

食べ物のカスなどの腐敗が原因の口臭の対策として、歯磨きなどの毎日のケアが一番有効ですが、ハッカ入りのタブレットやマウスウォッシュも一時的な対策としては有効です。

ただし、ハッカの成分などは摂取しすぎると口の中を乾燥させてしまうため、逆に口臭がきつくなる可能性があり、注意が必要です。

ハッカなどで口臭を消すよりも、口の中を乾燥させない、潤った状態にすることが口臭には有効ですので、口臭が気になって、すぐに何とかしたいときには、以下のようなことを行うことをお勧めします。

  • ガムを噛む
  • ハッカが入っていない飴をなめる
  • うがいをする

歯槽膿漏を治しても口臭が治らない人は、喉の奥の臭い玉や胃腸が原因の可能性がありますが、歯医者で診察を受けても胃腸などが原因かどうかは分かりません。

また、歯槽膿漏以外に口臭の原因がある人や、一時的な対策よりも口臭そのものが出にくい体質に改善したいという人は、毎日の生活を見直すことも大切です。

毎日のようにキムチを食べている人は食べていない日でもキムチの臭いがするように、日々の食生活が大きく影響しますので、普段どんなものを食べているのか気にしてみたり、胃腸などが弱っている人も睡眠などの食事以外の面も気にしてみると良いかもしれません。

しかし、歯槽膿漏を放置したり、歯磨きなどの毎日のケアを怠ったりすることは、歯や歯茎にとって良いことではありませんので、まずは歯医者での定期的なクリーニングと毎日のしっかりとした歯磨きで口臭の原因を除去していくことが大切です。

  • 記事の監修

吉村 佳博

「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」院長。一般診療から審美・美容まで幅広く歯に関して取り組んでいる。大阪歯科大学を卒業し、大学院では博士課程を修了。JR大阪鉄道病院に就職の後、平成7年6月に「よしむらファミリー歯科」を開院。平成18年5月には「スマイリー歯科」を開院した。

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