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セラミックの歯を入れるときに注意したいこと

投稿日:2020年8月14日 更新日:

セラミックの歯を入れるときに注意したいこと

こんにちは。「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」の院長を務める吉村 佳博です。

保険診療の歯では見た目に限りがあります。セラミックの歯は天然歯と見た目が似せることができますのでとてもきれいで、最近希望される方が増えています。

しかし、セラミックの歯はいいことだけではありません。今回は注意しておきたい事についてふれていきたいと思います。

1、セラミックの歯には4種類あります。

まず、全体がセラミックで覆われた「オールセラミック」という歯です。これはセラミックの中で最も美しいのですが、その分費用は高くなります。

次に、保険でも使われるレジンという特殊なプラスチックとセラミックとを合わせた「ハイブリッドセラミック」というものがあります。プラスチックの柔らかさが少し出てきます。

土台の部分に金属を使用して強度を上げた「メタルボンド」というセラミックスは、オールセラミックよりも強度がありますが、金属アレルギーがある方には使えません。

人工ダイヤモンドと同じジルコニアという素材を用いたジルコニアセラミックというセラミック歯は、硬さに優れています。

2、セラミック歯を入れる時に注意すべきこと

・セラミックの歯は欠けたら、そう簡単には修理はできません。

セラミックはある程度の強度はありますが、それでも硬いものを好んでよく食べるという習慣のある方には、セラミックの歯が欠けてしまうというトラブルが起きる可能性があります。

セラミックの歯の修理はとても困難で、再度新しいセラミック歯を入れることもあります。

・歯ぎしりや食いしばりなどを言われませんか?

歯ぎしりや食いしばりは、いまだメカニズムの詳しいことがわかっていないのですが、夜間の就寝中など無意識のうちにとても大きな力で噛み合わせたり、歯ぎしりをしたりすることで、セラミックの歯、もしくは土台となる歯が欠ける、折れるという危険性があります。

最近は起きている間でも、歯と歯が接触する、もしくは噛み締めているTooth Clenching Habit(TCH)という習癖が明らかになってきました。

安静にしている時、上下の歯は噛み合っていないことが理想なのですが、ストレスや緊張状態になると、この上下の歯が接触することや、しっかりと噛み合い、食いしばるなどの現象が見られることが明らかになってきました。

このような負荷もセラミックの歯にとっては有害な力がかかっていることになります。

・歯の神経を取る(抜髄)処置が事前に必要になることがあります

歯の生えていた方向と、治療後の歯の形や方向とが大きく異なる場合、歯を削ると、歯の神経(歯髄)が近くなる場合、もしくは神経の部分も少し削らないとセラミックの歯が入らない場合があります。

この場合、前もって歯の神経を除去しておく処置が必要なことがあります。神経を除去して、最終的な薬で詰め固め、ファイバーコアという素材を用いて土台を作ります。この治療は何回かかかり、またその分の費用がかかります。

・隣の歯と形態が合わない可能性があります

治療後の歯の形は両隣の歯を参考にします。鏡を見ながら、歯科医師と患者さんとが仮歯の形についてじっくり話し合いながら最終的な形を決めていきます。

それでも、皆さんが想像しているような歯の形や色にならない可能性があります。

・咬み合わせの調和については、限界があります

例えば、上の前歯だけを治療する場合、噛み合う下の歯をさわらないのであれば、ほとんど変化がありません。そのため、食べ物の噛み切りやすさなどは、治療の前後で多少変化します。

しっかりと噛み切ることを考えるなら、下の歯のセラミック歯への治療なども念頭においたトータルな治療計画が必要です。

3、装着後のメンテナンスが重要です

セラミック歯を装着した後は、その維持管理のためにメンテナンスが重要です。

まず、歯そのものを維持するため、表面の汚れを除去しないといけません。隣が天然歯の場合、素材の差で汚れの付着の程度に差が出ます。定期的に歯石除去、クリーニングを受ける必要があります。タバコやコーヒーなど、着色しやすいものは特に注意が必要です。

また、セラミック歯の周囲の歯ぐきに炎症が起きると、歯ぐきが下がる危険性があります。掃除もしにくい所が出て来ますので、メンテナンス字に歯科医師、歯科衛生士にどういう器具をどう用いて管理すればいいか、よく説明を受けてください。

セラミック歯は元の歯の形と100%同じではありません。噛み合わせも微妙に変化します。髪の毛1本噛んでもわかるくらい繊細なものですので、微妙な調整が求められます。セラミック歯を使い始めると、どうしてもこのような微妙な違和感が出てくると思います。セラミック歯以外でも特定の歯に噛む力がかかったりして、お口の中全体の噛み合わせの調整は必要です。

そして、夜間などの寝ている間に歯ぎしりや食いしばりがありそうでしたら、就寝時のみマウスピースを装着し、特定の歯に噛む力が当たらないよう、全体のバランスを調整することも必要です。

  • 記事の監修

吉村 佳博

「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」院長。一般診療から審美・美容まで幅広く歯に関して取り組んでいる。大阪歯科大学を卒業し、大学院では博士課程を修了。JR大阪鉄道病院に就職の後、平成7年6月に「よしむらファミリー歯科」を開院。平成18年5月には「スマイリー歯科」を開院した。

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