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歯が欠けた場合の正しい応急処置!欠けた歯の水洗いはやってはいけない!?

投稿日:2022年11月28日 更新日:

欠けた歯

こんにちは。「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」の院長を務める吉村 佳博です。

どんなきっかけがあったのかわかりませんが、歯がかけてしまったときにどういった対処を行えばいいのか、当院の患者様からご質問がありました。

患者様は自身の対処法で対応されてから当院にこられましたが、実はやってはいけない応急処置があります。

今回は、そんな歯が欠けたときの正しい応急処置についてお話させていただきますね。

歯が欠けたときにやってはいけない応急処置は3つ

歯が欠けたら歯医者に行く、当たり前のように思われるかもしれませんが、歯科医院で診察を受けて治療することが一番有効な対処方法です。

特に、何かで顔面を強打する等して歯が大きく欠けたり、抜けたりした場合は、すぐに歯医者で適切な処置を受けることでもう1度ひっつけることができる場合があります。

しかし、歯医者に行くまでにやってはいけないことが3つあります。

  • 何もせずに1日以上放置する
  • 歯を水洗いする
  • 歯や歯茎を冷やす

歯が欠けたときに、痛みがないからといって放置しておくと、後の治療に時間がかかってしまうことがあります。

特に、歯の根元から折れたり、抜けたりした場合、1日以上放置すると歯茎の穴が塞がり始めるため、歯をもう1度つけることが難しくなってしまいます。

また、欠けたり抜けたりした歯の衛生面を考えて、水洗いをしようと思われる方もいらっしゃいますが、それもよくありません。

歯の根元(歯根)には歯根膜という歯根と歯槽骨をくっつける働きをする組織が洗い流されてしまい、歯をくっつけることができなくなってしまいますので、歯が落ちて砂やゴミが着いた状態でも洗わずに歯医者まで持って行くことが大切です。

さらに、歯の欠けた部分を冷やすことは痛みを抑えるという点では有効ですが、歯茎の血行を悪くしてしまうので良くありません。

では、歯医者に行くまでに何もしなくて良いかというと、そうではありません。

欠けたり抜けたりした歯の状態を保つことは重要で、そのためにやるべきことがあります。

歯が欠けた場合にするべき2つのこと

欠けたり抜けたりした歯は、その状態を保つことが重要ということをお伝えしましたが、その状態を保つためには以下の2つのことがオススメです。

  • 歯を牛乳に浸す
  • 歯を持って1時間以内に歯医者へ行く

まず1つ目ですが、歯を牛乳に浸すことで、歯根膜を保護する効果があります。

牛乳の成分は生理食塩水に近く、その生理食塩水が歯根膜の成分に近いために、歯根膜が歯から剥がれることを防ぎます。

そのため、歯が欠けたときなどに地面に落ちてしまうこともあるかと思いますが、例え泥だらけになっていたとしても、水洗いせずに牛乳に浸してください。

ちなみに、牛乳も近くにない場合は、乾燥させることも良くありません。なので、歯を口の中に入れて歯医者へ行くことが一番良い方法になりますが、口の中が出血している場合もあると思いますので、まずは歯医者へ行くことを考えた方が良いかもしれません。

そして2つ目の「歯を持って1時間以内に歯医者へ行く」ですが、これはやってはいけないことで先述したように、歯茎は時間の経過とともに塞がっていくため、一刻も早く歯医者へ行くことが大切ということです。

また、食事中に硬いものを噛んだ以外の外的な要因(顔面を強打したなど)で歯が欠けたりした場合は、あごや他の部分も痛めている可能性もありますので、歯医者より口腔外科へ行った方が良いかもしれません。

掛かりつけの歯科医院がある方もいらっしゃると思いますが、遠く離れている場合は最も近い歯科医院か病院の口腔外科へいくことをオススメします。

歯医者で行う欠けた歯の治療法

欠けた歯の治療を歯医者で行う場合は大きく分けて以下の3つの治療法があります。

  • 欠けた歯をつける
  • 欠けた部分を保護する
  • セラミックの差し歯にする

歯が中途半端に折れてしまうと、もう1度つけるということが難しくなりますが、先っぽがちょっと欠けたくらいなら、つけられることもあります。

ただし、欠けた歯をつけてもその欠けていた部分が変色することもありますので、ちょっと欠けたくらいなら、歯に近い成分のものをつけて保護した方が良いです。

また、大きく欠けたり折れた場合は、こちらも欠けた部分をつけたとしても変色して目立つ場合もありますので、セラミックの差し歯等をつける方が良いかと思います。

ただ、歯が大きく欠けたりするようなときは、歯に無理やり大きな力が加えられて歯の根元がダメージを受けていたり、あごを脱臼していることも考えられ、その場合は歯の根元やあごの治療が必要になり、通常の差し歯治療よりも時間がかかります。

このように、どの治療方法でも、歯の状態によって対処が変わってきますので、まずは歯を持って歯医者に行くことが大切です。

ちなみに、歯が欠けた、割れた、抜けた等で来院される方のほとんどは小学生です。

小学生の場合、欠けた歯が乳歯である場合もあり、その場合は後から永久歯が生えてくるので、痛みがなければ放置しておいても問題がないということもあります。

大人の場合は、交通事故や自転車で転倒したなどの理由で来られる方はいらっしゃいますが、来られること自体が滅多にありません。

歯が欠けたときにどのような応急処置をしても、歯は元通りにはなりませんので、顔をぶつけて前歯が欠けた、硬いものを食べて奥歯が欠けた等があったときにはまず、お近くの歯科医院か口腔外科へ行くことを考えて下さい。

  • 記事の監修

吉村 佳博

「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」院長。一般診療から審美・美容まで幅広く歯に関して取り組んでいる。大阪歯科大学を卒業し、大学院では博士課程を修了。JR大阪鉄道病院に就職の後、平成7年6月に「よしむらファミリー歯科」を開院。平成18年5月には「スマイリー歯科」を開院した。

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