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歯周病

予防

歯の欠け

夏にむけて!冷たい飲み物で歯がしみる原因と対策

いよいよ薄着の季節が近づき、ジメジメとした日本の夏が到来しようとしていますね。

暑い日にキンキンに冷えたビールやアイスコーヒー、かき氷を口にした瞬間、「キーン!」と歯に走るあの不快な痛み。

まるで電気のような、鋭い痛みに顔をしかめた経験はありませんか?

これは「知覚過敏(ちかくかびん)」と呼ばれる症状で、多くの方が経験するお口のトラブルの一つです。

冷たいものだけでなく、熱いもの、甘いもの、風が当たった時などに歯がしみることがあります。

今回は、なぜ冷たいもので歯がしみるのか、その主な原因と、ご自宅でできる対策、そして歯科医院での治療法について詳しく解説していきます。

今年の夏は、我慢せずに冷たい飲み物を楽しめるよう、一緒に知覚過敏対策を始めましょう!

 

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なぜ歯がしみるの?知覚過敏のメカニズム

「歯がしみる」という症状は、歯の表面にあるエナメル質が何らかの原因で失われたり、歯肉が下がったりして、その下にある象牙質(ぞうげしつ)という組織が露出することで起こります。

象牙質は、歯の神経(歯髄:しずい)を取り囲むように存在しており、その内部には無数の細い管(象牙細管:ぞうげさいかん)が歯髄に向かって伸びています。

これらの象牙細管の中には、液体が満たされており、冷たいものや熱いものなどの刺激が加わると、この象牙細管内の液体が移動し、その動きが歯髄の神経に伝わり、「しみる」という痛みとして感じられるのです。

例えるなら、象牙質はたくさんのトンネルが通っているスポンジのようなもので、外からの刺激が直接トンネルの中を伝わって、奥にある神経を刺激している状態だと考えられます。

 

冷たいものがしみる!知覚過敏の主な原因

知覚過敏の症状は、一時的なものから、日常的に起こるものまで様々ですが、その背景にはいくつかの原因が隠されています。

 

1. 歯肉退縮(歯茎下がり)

最も一般的な原因の一つです。加齢、不適切な歯磨き(ゴシゴシ磨きすぎ)、歯周病などが原因で、歯肉が徐々に下がっていくことがあります。

歯肉が下がると、歯の根元部分が露出し、そこを覆っているはずのセメント質やエナメル質が薄いため、すぐに象牙質が露出してしまいます。

 

2. 強すぎる歯磨き

「しっかり磨かなきゃ!」という思いから、つい力を入れすぎてゴシゴシと歯磨きをしてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、硬すぎる歯ブラシを使用したり、強い力で横磨きをしたりすると、歯の表面のエナメル質が削れたり、歯肉が傷ついて下がったりする原因になります。

特に、歯の付け根部分はエナメル質が薄いため、影響を受けやすい箇所です。

 

3. 歯周病の進行

歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶け、歯肉が下がり、歯の根元が露出します。

また、歯周病菌による炎症も、歯の神経を過敏にさせる要因となることがあります。

歯周病は、歯茎からの出血や腫れ、口臭などの症状だけでなく、知覚過敏を引き起こすこともあるのです。

 

4. むし歯や古い詰め物の劣化

初期のむし歯でも、エナメル質が溶かされ象牙質が露出すると、冷たいものがしみることがあります。

また、過去に治療したむし歯の詰め物や被せ物が劣化して隙間ができたり、外れてしまったりすると、そこから刺激が伝わりやすくなり、しみる症状が出ることがあります。

詰め物の下で新たにむし歯が進行している場合も考えられます。

 

5. 歯ぎしり・食いしばり

無意識のうちに行っている歯ぎしりや食いしばりは、歯に非常に強い負担をかけます。

これにより、歯の根元部分に大きな力が集中し、エナメル質が欠けたり(くさび状欠損)、歯にひびが入ったりすることがあります。

エナメル質が欠けることで象牙質が露出し、しみる症状を引き起こします。

 

6. 酸蝕症(さんしょくしょう)

炭酸飲料、柑橘系の果物、スポーツドリンク、ワインなど、酸性の飲食物を頻繁に摂取することで、歯のエナメル質が溶けてしまうことがあります。

これが「酸蝕症」です。エナメル質が溶けることで、象牙質が露出し、知覚過敏の症状が出やすくなります。

また、逆流性食道炎や拒食症など、胃酸が逆流する病気も原因となることがあります。

 

夏の知覚過敏対策!ご自宅でできるケアと歯科医院での治療

冷たいものがしみる症状は、生活習慣やセルフケアで改善できる場合もあります。

しかし、症状が続く場合は、必ず歯科医院を受診して原因を特定し、適切な治療を受けることが大切です。

 

ご自宅でできるセルフケア

知覚過敏用歯磨き粉の使用

知覚過敏用の歯磨き粉には、象牙細管を塞ぐ成分(硝酸カリウム、乳酸アルミニウムなど)や、露出した象牙質を保護する成分が配合されています。

これらを毎日使用することで、症状が和らぐことが期待できます。

 

適切な歯磨き方法の実践

力の入れすぎは禁物です。

柔らかめの歯ブラシを選び、歯の付け根に優しくブラシを当て、小刻みに動かす「スクラビング法」などで磨くことを心がけましょう。

電動歯ブラシを使用する場合は、正しい使い方を歯科医院で確認しましょう。

 

食生活の見直し

酸性の飲食物を頻繁に摂取する方は、摂取量を減らしたり、飲んだ後に水で口をゆすいだりする習慣をつけましょう。

炭酸飲料などは、ストローを使って歯に触れる時間を減らすのも効果的です。

 

歯ぎしり・食いしばりの改善

就寝中の歯ぎしりや、日中の食いしばりの癖がある場合は、ストレス軽減やマウスピースの使用を検討しましょう。

日中無意識に食いしばっている場合は、意識的に歯を離す習慣をつけることが大切です。

 

歯科医院での治療法

セルフケアで症状が改善しない場合や、原因がむし歯や歯周病、歯ぎしりなど、より専門的な治療が必要な場合は、歯科医院での治療が不可欠です。

知覚過敏抑制剤の塗布

歯の露出した象牙質に、知覚過敏抑制剤を塗布することで、象牙細管を塞ぎ、刺激が神経に伝わるのを防ぎます。

即効性があり、比較的短時間で症状が和らぐことが多い治療です。

 

むし歯治療

むし歯が原因でしみる場合は、むし歯を取り除き、詰め物や被せ物で修復します。

 

歯周病治療

歯周病が原因で歯肉が下がっている場合は、歯石除去や歯周ポケットの清掃など、歯周病の治療を行うことで、症状の改善を目指します。

重度の場合は、外科的な処置が必要になることもあります。

 

詰め物や被せ物の修復

劣化したり外れたりした詰め物や被せ物を新しくすることで、刺激が伝わるのを防ぎます。

 

レジン充填(露出した根元の保護)

歯肉が下がり、露出した歯の根元部分に、歯科用のプラスチック素材(レジン)を詰めて保護することで、刺激が伝わるのを防ぎます。

歯の欠損も同時に修復できるため、見た目の改善にもつながります。

 

マウスピースの作製

歯ぎしりや食いしばりが原因の場合は、ナイトガードと呼ばれるマウスピースを作製し、就寝中に装着することで、歯への負担を軽減し、歯が削れたり欠けたりするのを防ぎます。

 

根管治療(重度の場合)

ごく稀に、知覚過敏ではなく、歯髄炎(歯の神経の炎症)が原因でしみる症状が出ている場合があります。

この場合は、歯の神経を取り除く根管治療が必要になることもあります。

今年の夏は、我慢することなく、冷たい飲み物やデザートを心ゆくまで楽しめるよう、今から対策を始めませんか?

当院では、患者様一人ひとりの症状やお口の状態に合わせた最適な治療法をご提案し、快適な夏を過ごせるようサポートさせていただきます。

お気軽にご相談ください。

記事の監修

吉村 佳博

著者

吉村 佳博

医療法人わははグループの理事長であり総院長。家族3世代で通える地域に根差した歯医者を目指し、一般診療から審美・美容まで幅広く診療する総合歯科を運営。グループ総スタッフ人数80人、法人全体の年間来院数は約50,000人。 歯科医院大阪歯科大学を卒業し、大学院では博士課程を修了。平成7年6月に「よしむらファミリー歯科」を開院。平成18年5月には「スマイリー歯科」を開院。平成18年5月には「スマイリー歯科」を開院、令和6年7月には「あべのグリーン歯科」、令和6年10月には「すみのえグリーン歯科」を開院。

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