こんにちは。「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」の院長を務める吉村 佳博です。
新型コロナウイルス感染症の影響で、日中もマスクを装着することが増えてきました。今まではマスクが許されていなかった接客などの業種においても、新型コロナ感染対策としてマスクの装着が必須になってきています。
その影響で、口元のエステや美容整形を行ってもそのダウンタイムとしてマスクで隠すことができると考え、治療を受ける方が増えています。
主にシワ取り、シミ・ホクロの除去といった美容整形を受ける方、そして歯列矯正治療やホワイトニングなどを希望する方が増えてきています。
当院でもホワイトニングの相談を受けることが増えてきました。その中で気になったのが、喫煙者の方がホワイトニングを希望されることです。
喫煙される方は、タバコに含まれるニコチンなどヤニのせいで歯が黄ばんできます。ホワイトニングでどれくらい白さを維持できるのでしょうか?
1、歯を白くする方法について
まず、歯を白くする方法について簡単に説明します。歯を白くする方法はホワイトニングだけではありません。
歯の色を決めるのは、歯の表面に付着した汚れや色素沈着、エナメル質の色、象牙質の色、の組み合わせになります。
虫歯の治療のために歯にかぶせものをしている場合は、そのかぶせものの素材が歯の色を決めます。
ホワイトニングをするにあたり、まず最初に行うこととして、歯の表面の汚れを落としていきます。
スケーラーという鎌の形をした専用器具で歯の表面に付着した汚れや歯石を除去し、次に歯科専用のブラシと歯みがき粉を使って歯の表面にこびりついた汚れやステインを落としていきます。この処置だけでも歯の色調はかなり明るく改善します。
その上で、かぶせもの自体の色調の問題であれば被せ物のやりかえを行い、歯のエナメル質や象牙質の色調の問題であればホワイトニングへと進んでいきます。歯を白くしたい方はまず歯の汚れを落としてから考えてもいいかと思います。
エナメル質や象牙質の色調の問題の場合、歯を漂白する専用の薬剤を使って白くしていきます。
方法には3つあります。歯の中に漂白剤を入れて歯の中から漂白する方法、マウスピースのようなトレイを作製してその中に漂白剤を入れて就寝中に装着して歯の外側から漂白する方法、そして両者を併用する方法です。
ホワイトニングにかける期間、予算、通院回数、ご自身のライフスタイルから、どの方法で行うかを歯科医師としっかり話し合って決めましょう。
2、喫煙をそのまま続ける場合
「たばこは百害あって一利なし」と言うように、たばこには有害物質が多量に含まれます。これは紙巻たばこだけではありません。
最近ユーザーが増えている加熱たばこであっても、ニコチンは減っても他の有害物質が多量に含まれています。
せっかく費用と時間をかけてホワイトニングをしても、その後もタバコを吸い続けるのであれば、歯の表面にまたヤニが付着して黄ばんできます。
また歯の中にもヤニなどのたばこに含まれる有害成分がしみ込んでいきます。そのため、せっかくの白さがあまり長持ちしないということになります。
これは紙巻きたばこだけでなく、加熱タバコでもありえます。とてももったいないことだと思います。ホワイトニング後もたばこを吸われる方は、その点をご理解ください。
3、この際に禁煙を目指す場合
ホワイトニングの効果をできるだけ長持ちするためには、ホワイトニングをいい機会として禁煙を目指してみてはいかがでしょうか?
とてもいいきっかけと思います。最近は禁煙外来を設けている内科が増えてきました。
ニコチンパッチなど、禁煙に向けて個人それぞれに合った無理のない方法を相談できます。禁煙、もしくはタバコの本数を減らす減煙をすることで、白くなった歯をそれだけ維持できることになります。
4、食べ物や飲み物、歯磨きにも注意しましょう。
白さを長持ちさせるためには、タバコだけでなく、色の濃い食事、飲み物を避けるようにしましょう。紅茶、コーヒー、赤ワイン、コーラ、カレーを食べること、食べる量を減らすことがまず着色のリスクを減らします。
次にできることは、食後の歯磨きです。
この時に力を入れてゴシゴシ磨くと、歯の表面が削れたり、周囲の歯肉にダメージを与えますので、避けてください。外での食事など、食後すぐに歯磨きができない状況では、真水で口をすすぐだけでも着色をある程度予防することはできます。
歯を白くするペンというアイテムがありあますが、お勧めしません。このアイテムはシリコンゴムに研磨剤が配合されています。
研磨剤でエナメルが削れる可能性があるため、広範囲に長期的に使うのは避けましょう。
また、最近は歯磨き粉やマウスウォッシュなどで、ステイン除去やステイン予防をうたう商品も多く販売されています。
研磨剤入りの歯磨剤は歯の表面を削るようにして汚れを落とすため、なるべく避けるべきです。まずは研磨剤の無い歯磨剤とマウスウォッシュを使いましょう。