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大人になっても乳歯が抜けない!大人乳歯で気をつける2つのこと

投稿日:2023年1月20日 更新日:

大人になっても乳歯が抜けない大人乳歯

こんにちは。「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」の院長を務める吉村 佳博です。

みなさんの歯は全て、永久歯に生え変わっているでしょうか?

子供のころ、乳歯がグラグラしてきて自分で抜いたり、誰かに抜いてもらったり、ふとした拍子に抜けた!なんて経験をされた方も多いかと思います。

そんな方でも、全ての乳歯が抜けて、永久歯に生え変わっているのかは、はっきりと覚えていなかったりすると思います。

実は最近、大人になっても乳歯のまま、永久歯に生え変わらない人が増えてきているようで、その生え変わらない歯のことを「大人乳歯」と呼んでいます。

今回は、そんな大人乳歯ついてお答えしていきたいと思います。

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大人乳歯の原因は永久歯の欠如

まず、歯の生え変わりというと、多くの方は小学校の低学年くらいから、乳歯が抜けて永久歯が生えてくるという経験をされていると思いますが、その子供の時期に乳歯から永久歯に生え変わらず、大人になっても乳歯が残っている状態のことを大人乳歯と言います。

そして、その原因のほとんどが、永久歯の先天的な欠如です。

生まれつき永久歯がないので、生え変わりで起こる乳歯のグラつきなどが発生せずに、大人になっても乳歯がそのまま残るのです。

そのまま残るといっても、永久歯は親知らずの4本を除いて、全部で28本ありますので、その28本全てが欠如しているというよりは、その28本の中の数本が欠如している場合が多いようです。

特に小臼歯(しょうきゅうし)という前から4番目の左右の歯が欠如している人が多い傾向にあります。

そのため、大人乳歯であることに気づいていない方もいて、大人乳歯(永久歯の先天性欠如)は10人に1人と言われています。

また、稀に、欠如はしていない人でも、永久歯が斜めに生えているために乳歯がグラつかず、大人乳歯になっている人もいます。

このような永久歯が斜めに生えている場合の大人乳歯の人は、奥歯や歯にかけらが残っている場合もあります。

なお、大人乳歯は病気ではありませんのでご安心ください。

乳歯がしっかりと残っていれば、日常生活においても困ることはほとんどありません。大人乳歯と分かっている人も、大人乳歯か分からない人も心配しなくても大丈夫です。

大人乳歯の人が増えているのは、近年の食生活の変化などによって、あごが小さくなってきていることが要因の1つかもしれません。

大人乳歯の人は乳歯が抜けないように2つのことに気をつける

大人乳歯の人は、乳歯が抜けてしまうと、もう次の歯は生えてきませんので、抜けないように以下の2つのことに気を付けなければいけません。

  • 虫歯や歯周病などの歯の病気
  • 乳歯そのもののグラつき

では、大人乳歯の人が、乳歯が抜けないように気をつける前に、まず自分が大人乳歯かどうか分からない人はどのように判断すればいいのか、ご説明させていただきます。

大人乳歯かどうかは歯根の長さで判断できる

先述している通り、自分に大人乳歯があると気づいていない人もたくさんいます。

そのような人は、歯科医院で歯のレントゲンを撮ることで分かることが多いです。

乳歯の根っこ(歯根)は、永久歯に比べて短いため、レントゲンを撮ったときに歯医者さんが見ると分かります。

ただし、ご自身の歯が大人乳歯かどうか知りたくて歯科医院に来られるというよりは、虫歯の治療などでレントゲンを撮った際に分かることの方が多いです。

また、乳歯の方が永久歯よりも若干小さいので、見た目で分かる場合もありますが、大人乳歯かどうか知るためにはレントゲンの方が確実です。

なお、永久歯に生え変わっていても、歯の根元にざらざらしたものが残っている人は、乳歯の欠片が残っているという場合もあります。

この乳歯の欠片を放置していると、歯茎の炎症につながるかもしれないので、取っておいた方が良いと思います。

大人乳歯を長く持たせるように丁寧にケアする

大人乳歯は病気ではありませんので、歯がダメになるまで持たせられるだけ持たせる方が良いです。

なので、乳歯が虫歯なってしまったり、歯がグラつかないように歯肉炎や歯周病に気をつける必要があります。

そのためには、毎日の歯磨きや定期的なクリーニングなどのケアが大切になってきます。

このようなケアは永久歯も同じように大切ですが、歯の根っこが短い乳歯については、より丁寧なケアが必要となってきます。

それでも、大人乳歯が虫歯になってしまった場合には、どのように治療したら良いのでしょうか?

大人乳歯の治療と病気などで抜けた場合は?

乳歯は永久歯と比べると弱そうだと感じますが、永久歯と同じように治療を行う事は可能です。

たとえば、虫歯の場合、進行具合にもよりますので、ひどく進行してしまった場合には歯を抜くことになりますが、軽い症状の場合には、かぶせなどで治療することができます。

仮に大人乳歯を抜歯することになったり、何かの拍子で抜けてしまった場合には、すきっ歯となり、歯並びが悪くなってしまうこともあります。

この場合、上の歯が伸びてきてしまうため、以下の方法などで治療する方が良いです。

  • インプラント
  • ブリッジ
  • 入れ歯
  • 差し歯

ただ、乳歯は根っこが永久歯より短いために、虫歯でなくても、グラついてきた時点で抜いてしまい、差し歯などにした方が良い場合もあります。

また、残っている乳歯の黄ばみが気になる場合には、ホワイトニングを行うこともできます。

そして、これも永久歯と同じですが、神経を取っていない乳歯であれば、ホワイトニングによって白い歯にすることができます。

このように、永久歯が先天的に欠如していたり、生える方向が悪いことによって大人乳歯となっている歯は、永久歯以上に十分にケアすることで長持ちさせることができます。

その他、永久歯の先天性の欠如とは逆に、子供のときに永久歯が生えてきても乳歯が抜けない場合もあります。

このように乳歯が抜けない場合には、乳歯が邪魔をして永久歯の生え方が悪くなるかもしれないので、歯医者で乳歯を抜いたほうが良いこともあります。

大人になっていても乳歯が抜けたかどうか分からない方や、大人乳歯を長持ちさせたいと思われた方は、歯医者に相談されることをオススメします。

  • 記事の監修

吉村 佳博

「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」院長。一般診療から審美・美容まで幅広く歯に関して取り組んでいる。大阪歯科大学を卒業し、大学院では博士課程を修了。JR大阪鉄道病院に就職の後、平成7年6月に「よしむらファミリー歯科」を開院。平成18年5月には「スマイリー歯科」を開院した。

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