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虫歯や歯周病は人にうつることってあるの?

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mushiba

こんにちは。「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」の院長を務める吉村 佳博です。

2010年から急速に広まったコロナウイルスのため、接触感染や空気感染に注目が集まり、ソーシャルディスタンス、アルコール消毒などが意識されるようになりました。歯科医院でも空気の入れ替えや、口腔外バキューム、ゴーグルなどの使用でコロナ対策をしています。

一方で、コロナよりも世界的に、しかも昔から蔓延しているのが虫歯や歯周病です。虫歯や歯周病もヒトからヒトへ感染します。

今回は虫歯や歯周病の感染について見ていきます。

1、虫歯や原因菌について

TVなどで歯磨き粉や歯ブラシのCMので、歯周病の原因菌を殺菌するなどの言葉が出てきます。虫歯の原因となる代表的な細菌に、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)があります。ミュータンス菌や虫歯菌とも呼ばれることがあります。

ミュータンス菌は砂糖などの糖分を主な栄養源にして、グルカンという物質と酸を作り出します。これはネバネバしているため歯の表面に付着します。このグルカンは粘着性が強いので、多くの細菌がくっつき、大きな塊になります。これが歯垢、プラークです。

この集まったミュータンス菌が作る酸により、歯の表面のカルシウムが溶け出し(脱灰)していきます。これが長時間続くと、大きなむし歯になっていきます。

2、歯周病の原因菌について

口腔内には300~900種類の細菌が存在すると言われています。その中で、歯周病の原因菌としておよそ90種類以上がわかっています。

主な原因菌としてPg菌(Porphyromonas gingivalis)、Tf菌(Tannerella forsythensis)、Td菌(Treponema denticola)、Pi菌(Prevotella intermedia)、Aa菌(Aggregatibacter actinomycetemcomitans)があります。その中でもPg菌、Tf菌、Td菌の3つはとても要注意な原因菌であり、レッド・コンプレックスといわれています。

レッド・コンプレックスの感染は小学校高学年から18歳くらいの間に起きるといわれています。しかし、これらはすぐに歯周病が発症するのではなく、加齢や免疫力が低下する中年ごろまでの長くとどまり、発症するタイミングを待っています。

そしてもし歯周病を発症した時、レッドコンプレックス(特にPg菌)がいるかを細菌検査で調べることで、病原性の高いハイリスクな歯周病かどうかか、ある程度予測することができます。
 

3、感染と定着の違い

歯周病や虫歯は、お口の中にいる原因菌がヒトからヒトに広がる感染症です。虫歯があったり、歯周病にかかっているヒトとキスや食器などを共有することにより、他人に感染する可能性は十分あります。

たとえば、菜箸やトングなどを使って大皿料理を取り分けただけでも感染することがあります。フォークやスプーンを複数人で使ったり、同じコップで飲むといったことでも感染するケースがあります。

ただし、細菌が感染したからといって必ず発症するわけではありません。歯周病や虫歯の原因菌が口の中に入っても、お口の粘膜や歯の表面に定着し、バイオフィルムと呼ばれる“菌のかたまり”として増殖しなければ、歯周病や虫歯にはなりません。

つまり、歯周病や虫歯の原因菌が口に入ってきても、増殖できる環境でなければ、歯周病や虫歯にはなりにくいのです。

4、感染しても発症するとは限らない

虫歯や歯周病の原因菌が定着したとしても、発症するためには様々な因子が複雑に重なり合って発症します。

主な4つの因子:微生物因子(プラークの中に病原菌がいること)、宿主因子(糖尿病など全身疾患が存在すること)、環境因子(歯磨きの回数、歯磨きの仕方など)、咬合因子(咬み合わせの調整が必要かどうか)が重なった時に、発症の危険性が大きくなります。

5、どうすればいいのか

歯周病や虫歯の対策には、いくつか方法があります。

まず、食事する際には他人と食器やコップを共有しないことや、ソーシャルディスタンスをとることもすでにコロナ対策としてされていると思います。

これに加えて、定期的に歯科医院で歯石除去を受けてプラークを除去してもらうこと、歯磨きにオススメのブラシを歯科衛生士に選んでもらい、自分にあった歯磨き方法を確認することも日々のメンテナンスのために重要です。

また虫歯、歯周病、咬み合わせの治療・調整をすることも1つの方法です。歯周病のリスクを減らすことも発症予防もしくは発症しても重症化しないことになります。

さらに、歯科医院によっては、レッドコンプレックスの細菌が存在するか検査機関と連携して検査することができます。また最近は3DSという治療法を行う歯科医院が増えてきました。この治療法はDental Drug Delivery System(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)の略で、ドラッグリテーナーと呼ばれるトレー(マウスピース)と抗菌薬が入った薬剤を使って口腔内の細菌を除菌する治療です。

気になる方は、かかりつけの歯科医院で細菌検査や3DSを実施しているか、問い合わせてみましょう。

  • 記事の監修

吉村 佳博

「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」院長。一般診療から審美・美容まで幅広く歯に関して取り組んでいる。大阪歯科大学を卒業し、大学院では博士課程を修了。JR大阪鉄道病院に就職の後、平成7年6月に「よしむらファミリー歯科」を開院。平成18年5月には「スマイリー歯科」を開院した。

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