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歯並び
アフリカ人の歯並びの良さ-なぜ日本人の歯並びは悪いの?-

テレビのCMやドキュメンタリー番組で、アフリカの様子が映ることがあります。
その中で、健康的な肌の色をした人々や、歯並びがきれいな人が多い印象を受けることはないでしょうか。同じように、欧米諸国でも歯並びが整った人が多いように感じます。
一方で、日本人の歯並びを見てみると、きれいな歯並びの人も多くいますが、八重歯など特徴的な歯並びの人も少なくありません。
では、なぜアフリカの人々は歯並びが良く、日本人は歯並びが乱れやすいのか。
今回はその理由を探っていきます。
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日本は生活水準が高い国のはずですが
アフリカと日本の生活環境を比べてみると、アフリカは森林やジャングル、広大な平原など、自然が豊かな場所が多く、人々もそうした環境の中で暮らしているイメージがあります。
一方、日本では、街中ではコンクリートやアスファルトに囲まれ、豊かな自然を感じられる場所は地方に行かないとあまり見られません。
また、欧米と日本を比べると、自然の多さに関してはアフリカほどの違いはないものの、やはり環境の違いはあるように思えます。
では、世界全体を見渡したときに、なぜ日本人は歯並びが乱れやすいのでしょうか?
アフリカ人との歯並びの違いは食生活の内容に
アフリカ人と日本人の食事を比べてみると、歯並びの違いのヒントが見えてきます。
アフリカの食事には、大きな肉や繊維質の多い野菜など、しっかり噛む必要がある食べ物が多く含まれています。
この「よく噛む食事」が、あごの発達を促し、歯がきれいに並ぶための十分なスペースを確保するのに役立ちます。
さらに、繊維質の野菜は歯の表面の汚れを自然に落とす効果もあります。
こうした食生活が、離乳食の頃から続くことで、成長するにつれて理想的なあごの骨格が形成され、歯並びが整いやすくなるのです。
日本人の食生活について
昔の日本人の食事と比べると、現代の日本人の食生活は欧米化が進んでいます。ハンバーガーやステーキなどの肉類や脂肪分の多い食べ物が増え、昔のように魚や根菜を食べる機会が減っています。
その結果、あまり噛まなくても飲み込める食事が増え、自然と「噛む回数」が少なくなりました。
噛む回数が減ると、あごにかかる刺激が少なくなり、成長や発達が十分に進まなくなります。そのため、あごが小さくなり、歯がきれいに並ぶスペースが足りなくなってしまうのです。
最近では、小顔が流行したり、八重歯が「かわいい」と人気になり、付け八重歯まで登場しました。しかし、食生活という観点から見ると、あごの発達にとってあまり良い傾向とは言えません。
欧米では歯列矯正治療と予防歯科が重視されている
では、欧米の人たちの歯並びはどうなのでしょうか?実際に見てみると、歯並びが悪い人はあまり多くない印象があります。
欧米では、きれいな歯並びはむし歯や歯周病の予防にもつながることが広く知られていて、子どもの頃からあごの発達を意識した治療やケアが行われています。
さらに、大人になってからも定期的に歯科に通い、歯石の除去やむし歯の早期発見・治療を受けて、良い口の状態を保ち続ける人が多いのです。
そのため、歯並びが悪かったりむし歯が多かったり、治療されていない歯が多い大人は、「きちんとしたケアを受けてこなかった」という見方をされてしまうこともあり、家庭環境や生活習慣について、社会的に評価されてしまうことがあるとも言われています。
日本でも小児期からの予防歯科を
日本でも、子どもの頃からあごの成長を考えた治療や、歯科医院での定期的なメンテナンスの大切さが少しずつ広まってきています。
しかし、まだ十分に普及しているとは言えません。子どもの成長に合わせた治療や、正しいかみ合わせを意識したケアが、もっと必要とされています。
また、フッ素入りの歯磨き粉の活用や、正しい歯みがき方法の指導など、予防歯科のさらなる普及も重要です。
さらに、よく噛んで食べることを意識し、食生活を見直すことも、日本人の歯の健康を守るために大切なポイントです。
歯並びやあごの発達について気になることがあれば、ぜひ一度、スマイリー歯科にご相談ください。適切な治療と予防ケアで、健やかな成長をサポートします!
記事の監修
著者
吉村 佳博
医療法人わははグループの理事長であり総院長。家族3世代で通える地域に根差した歯医者を目指し、一般診療から審美・美容まで幅広く診療する総合歯科を運営。グループ総スタッフ人数80人、法人全体の年間来院数は約50,000人。 歯科医院大阪歯科大学を卒業し、大学院では博士課程を修了。平成7年6月に「よしむらファミリー歯科」を開院。平成18年5月には「スマイリー歯科」を開院。平成18年5月には「スマイリー歯科」を開院、令和6年7月には「あべのグリーン歯科」、令和6年10月には「すみのえグリーン歯科」を開院。