こんにちは。「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」の院長を務める吉村 佳博です。
目次
インビザラインとは
最近歯列矯正を希望される方が増えています。歯列矯正の方法では、ワイヤーとブラケットによる歯列矯正の他に、マウスピースを使った歯列矯正方法がいくつか市場に出てきました。そしてマウスピース希望される方も増加傾向にあります。
このマウスピース矯正では世界的に有名なブランドの1つがインビザラインです。マウスピース矯正についての症例数が圧倒的に多く、また取り扱っている歯科医院も多いブランドです。
マウスピース矯正とは
マウスピース矯正は、ワイヤーとブラケットの代わりに無色透明なマウスピースを装着して歯を移動させていく歯列矯正です。
マウスピースは最終的な歯並びにむけて歯が移動するよう2週間おきに交換して力をかけ、歯を移動させていきます。
インビザラインによる治療の流れ
まず、歯科医院で診査・診断を行い、インビザライン治療が適用できるかどうかを判断します。適用できない症例もあります。そして適用できると判断したら、虫歯の治療などを先に終わらせます。
その後、歯の模型(歯型)を取ります。従来からある石膏模型を作成して専用スキャナーで撮影する歯科医院もあれば、最近では口腔内スキャナーという口の中を専門的にスキャンできる撮影装置で歯並びから噛み合わせまで撮影し、全てをデジタルワークフローで行う歯科医院もあります。
これらの情報をもとに、最終的な目標とする歯並びをパソコン上で決めていきます。ゴールが設定できたら、海外にあるメーカー工場にデータを送信し、2週間おきに交換するマウスピース一式が航空便で歯科医院に届けられます。歯科医院では、歯並びの治療経過を確認しながら、マウスピースを交換していきます。
インビザラインのメリット
インビザラインだけでなく、マウスピース矯正全体に共通するメリットでもあります。
1)無色透明なので、矯正していることがパッと見てもわからない
これがマウスピース矯正の一番のメリットでしょうか。マスクを装着する時間が長くなったとはいえ、ワイヤーが見えない治療は審美性が高いです。
2)金属アレルギーの方に使えます。
プラスチック素材ですので、金属アレルギーの方の矯正治療に使えます。
3)ワイヤーやブラケットによる口内炎がほとんど起きない
ワイヤーとブラケットによる矯正での問題点の1つは、ほおや舌に口内炎ができることですが、
マウスピース矯正ではほとんどリスクがありません。
4)小児矯正でも使えるようになった
ここ数年、小児矯正を希望される方が増えてきたように思います。あごの成長発育に合わせて歯並びを誘導し、理想的な歯並び、咬み合わせを作ることが目的です。その関係で、小児の症例でもインビザラインができますか?という質問を受けます。
インビザラインは、これまで永久歯の矯正治療が主で使用されてきましたが、インビザラインの症例数の多さと、システムの技術改良により、乳歯と永久歯が混在する時期の矯正治療からでもインビザラインが使用可能になりました。
5)部分矯正にも使えるようになった
前歯の部分だけといった部分矯正を考えている方で、インビザラインを検討される方がおられます。
インビザラインの中には部分矯正のプランもあるためある程度は対応可能です。ただ、インビザラインで部分矯正をする場合には、マウスピースの枚数が決まっており、追加できるマウスピースの回数も決まっているため、適応できるかどうか歯科医師と事前にしっかり相談が必要です。
6)取り扱う歯科医院が多い
インビザラインを取り扱う歯科医院は、他のブランドに比べて多くあります。引っ越しなどで異動しても、転居先の近くで治療を継続できる例が多いです。
インビザラインのデメリット
一方、デメリットとしては、ワイヤーの代わりにマウスピースが歯に力をかけ続けるため、1日のうち 20時間以上はマウスピースを装着しないと矯正治療効果が出ません。ただ、これはメガネをかけるなどと同じように習慣にすることでクリアする方が多いようです。
また、治療開始前の歯の形と歯並びを基準にゴールを設定し、マウスピースを作製します。マウスピース矯正の治療中に虫歯や詰め物の形が変わると、マウスピースの再作製が必要になることがあります。
インビザラインの治療費について
インビザラインにかかる費用について、歯並びの程度や歯科医院の場所(都内、地方都市)などの条件にもよりますが、お口全体の矯正費用としては70〜120万円、部分矯正で30〜50万円が相場のようです。極端に安価な提示額の場合は、それなりの何か事情があると思います。
ちなみに、この中にどこまでがカバーされているかの確認が重要です。治療開始前の診査・診断料、検査料、通院のたびにかかる調整料・技術料などが別途かかる場合がありますし、上記の金額に全てが含まれているなど、歯科医院によって条件が違います。「診査・診断から歯を動かし終わり、保定装置までの費用」を事前に書面で確認するようにしましょう。
また、大きな金額ですので、一括支払いが困難な場合はローンなどで分割払いが可能かどうかも確認しましょう。金融機関ではデンタルローンという商品で取り扱っているものがあります。