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歯の着色汚れの原因と対策。加齢や体調の変化でも起こりうる?

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黄ばんだ歯

こんにちは。「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」の院長を務める吉村 佳博です。

「以前は歯がもっともっと白かったのに」とか「だんだん色が変わってきた」という方が多くおられます。

歯は外側からエナメル質、象牙質、歯髄(神経)の3層からなります。象牙質は薄いクリーム色で、白いエナメル質を透過して見ている、というのが本来の歯の色です。それでも気になる、という方に、歯の着色や汚れの原因、自宅や歯科医院でケアしてもらう方法についてご紹介します。

1、歯の着色、汚れの原因

1)食べ物や飲み物によるもの

歯の変色や着色で一番多いのは、食べ物や飲み物によるものです。濃い色の飲食物(紅茶、コーヒー、赤ワイン、コーラ、カレーなど)が歯の表面に長くとどまると、歯の表面にその色がついてきます。

コーラなど酸性の食べ物、甘いものを食べて長時間歯磨きせずにいると、歯の表面が溶かされていきます(脱灰)。この脱灰により、歯にはさらに色がつきやすくなります。

歯の表面についた汚れについて、飲んだり食べたりした直後でしたら、歯磨きをすることである程度は落とせますし、外出時など歯磨きがすぐにできない状況の場合はうがいだけでも着色や汚れを減らせる可能性があります。

2)歯垢や歯石の沈着

まさに歯の汚れと言えば、歯垢(プラーク)や歯石の沈着です。歯磨きを怠っていたり、手の麻痺などで自分では歯磨きができない部分があると、歯垢が付着し、それが長時間になると歯石へと変化していきます。

歯石になってしまうとご自身では除去しにくくなります。その時は歯科医師、歯科衛生士にケアをしてもらいましょう。歯科医院で定期的にメンテナンスを受け、自分では見えない場所も含めて歯石除去をすることで、虫歯や歯周病のない状態を維持しましょう。

3)タバコ

紙巻きたばこに含まれるニコチン(いわゆるヤニ)はとても粘着質で、歯の表面に付着しやすいという性質があります。

最近普及してきた加熱タバコではニコチンが減っており、紙巻きたばこほどではないにしても、歯の表面に付着する成分がありますので、歯が徐々に変色していきます。

4)フッ素

お住まいの地域によっては、普段飲む水に含まれるフッ素の量が多いことがあります。これは降った雨が地中のフッ素を少しずつ溶かすことによります。

フッ素は歯を強くする成分の1つですが、摂取が多い状況が長期間続くと、歯に沈着し、白っぽくなります。

5)薬剤によるもの

薬品の中には、歯に沈着しやすいものがあります。 色の濃いうがい薬(ポピドンヨード、クロルヘキシジンなど)は決められた濃度でうがいをし、その後に真水ですすぐことも一つです。
漢方薬も長期間内服することが多い薬剤です。この漢方薬も歯に着色することがあります。

また歯が形成される時期にテトラサイクリン(抗生物質)などを内服すると、地層のように歯が灰色を帯びてきます。この色はエナメル質の内部についた色ですので、ラミネートベニアのような表面を薄く削って白い素材を貼り付ける治療や、オールセラミックなど被せ物で色調を改善させることが多いです。

6)かぶせ物の材質の経年変化

保険治療でかぶせた物は、時間が経つと変色してきます。また、一番外側の素材が薄くなって土台の金属の色が見えることもあります。

可能であれば、より自然に見える素材に変更することも検討してみましょう。オールセラミック、ハイブリッドセラミックス、ラミネートベニアなど、歯の種類(部位)によって使える素材のメリット・デメリットがあります。

7)歯の神経が死んでいる場合

歯に強い力がかかった場合、特に転倒や衝突事故などの外傷では、神経の空間(歯髄)への血流が途絶えてしまうことがあります。

歯髄が徐々に壊死して、黒っぽく変色していきます。この場合は歯髄の空間を空けて内部に漂白剤を入れ、歯の内部から色を変える方法をとります。

2、加齢は歯の色に影響するか

加齢も歯の色に影響してきます。歯はなんとなく黄色みを帯びている、という方がおられます。ご高齢の方に多いです。よく見てみると、歯がすり減っていることが多く見られます。今までしっかり噛んで食事をされていたり、寝ている間の歯ぎしりや食いしばりがあるように思います。

歯がすり減る、つまり白いエナメル質が薄くなると、その下にあるクリーム色の象牙質が透けてきますので、歯が黄色みを帯びるように変色してきます。

3、体調の変化は歯の色に影響するか

歯の色を見る時に、太陽光の下で見る時、夜に屋内の照明で見る時、洗面で歯磨きする時、それぞれ光の量と当たり方は大きく印象が異なります。

それぞれでその隣にある歯肉や肌の色調とのコントラストが大きく影響します。屋内の決められた照明を使って光の当て方を一定にできれば、歯そのものが変色しているのかどうかが評価できます。

体調の変化は歯肉の色調に関係してきます。健康な状態の歯肉はピンク色ですが、少し赤みがかることもありますし、逆に貧血気味では赤みが減ったりします。この場合は、体調を整えることで、歯の色調についての印象が変わる可能性があります。

  • 記事の監修

吉村 佳博

「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」院長。一般診療から審美・美容まで幅広く歯に関して取り組んでいる。大阪歯科大学を卒業し、大学院では博士課程を修了。JR大阪鉄道病院に就職の後、平成7年6月に「よしむらファミリー歯科」を開院。平成18年5月には「スマイリー歯科」を開院した。

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