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歯周病と歯肉炎の違い

投稿日:2020年5月15日 更新日:

1、歯とその周囲にあるものについて

歯周病と歯肉炎の違いを説明するにあたり、まず歯の周囲にあるものについて説明します。

歯の根の周囲には歯根膜という薄い膜があります。

ここには噛みごたえに関する感覚のセンサーがあります。また、歯科矯正治療で歯を動かす際に骨を溶かしたり、一方で骨をつくる両方の能力があります。

この歯根膜の外側には歯を支える骨(歯槽骨)があり、その外側には歯肉があります。

2、歯肉炎とその原因について

炎症とは、体の表面にできた傷などから体の抵抗力が落ちて歯肉だけに炎症が起きた場合を歯肉炎といいます。

歯肉の下に歯槽骨がありますが、炎症がそこまでは広がっていない状態です。

歯磨きができない部位に食べかす(食渣)が溜まり続けると、お口の中にいる細菌(口腔内常在菌)が栄養源として活発に活動するようにになります。

最近の出す毒素により、近くの歯肉に炎症が引き起こされます。

3、歯周病とは

歯肉炎が進行すると、歯の周囲の組織にまで炎症が広がります。この状態になると歯周病と呼びます。

歯周病は虫歯とともに歯科では最も多い疾患です。

「平成 23 年歯科疾患実態調査」では45 ~ 49 歳では約9割近くの方に見られ、働き盛りの35 ~ 69歳の約8割に見られるいわば国民的疾患です。

歯の周囲の組織に何らかの症状がみられる患者数は推定で約 9400 万人にもなりますが、実際に歯科医院を受診した患者数は約260万人、たった3%でした。

歯周病の原因には、噛み合わせ、食事の習慣、歯磨きの習慣(歯磨きの回数、ブラッシングの方法、歯磨きにかける時間)、喫煙状況などの他、糖尿病、白血病、AIDSなどの全身疾患などが関連しています。

1) 噛み合わせ

歯並びの問題や、受け口や出っ歯のように上下のあごの成長発達に差があったために大きさに違いがある場合、お口を閉じても奥歯でしか噛めない場合などは、特定の歯に負担がかかります。

特定の歯に負荷がかからないように治療が必要です。矯正治療、歯のかぶせ物や入れ歯を入れたり、する治療が必要です。

2) 歯ぎしり

歯ぎしりは本人も無意識のうちに歯をガリガリしますが、その原因はわかっていません。

日中とは違って大きな負荷が特定の歯の縦方向だけでなく横方向にも力がかかりますので、歯の周りの歯ぐきや、歯を支える骨に炎症がおき、歯周病になります。

歯周病が進行すると、抜歯にいたることもあります。

特に、インプラントを入れている方では、インプラントと噛み合う歯に歯周病を起こすリスクがあります。

3) 食事の習慣

食事の内容と、噛み方の面が影響します。柔らかい食事ばかりでは、急に硬いものを噛む時に歯の周囲の組織に炎症が起きます。

また、左が噛めるから、と左ばかりで噛んだりするのも、特定の歯に負荷をかけるので、歯周病のリスクになります。

4) 歯磨きの習慣

歯磨きの回数が少ないと、食べかすが溜まりやすいという状況になります。

できれば毎食後に歯磨きを行い、食べかすを残さないようにしたいものです。

5) 糖尿病など全身疾患がある

最近、糖尿病の患者が増えてきています。歯周病と糖尿病とは相互に関係することが明らかになってきました。

血糖値コントロールが不良の人では、歯周病がより重症でになることがわかっています。

一方で、歯周病にかかっている人は、かかっていない人に比べて糖尿病の発症リスクが高いこともわかっています。

中等度以上の歯周ポケットが口の中全体にある場合、そのポケットの面積の合計は手のひらと同じくらいあります。

プラークから出された毒素は、血糖値を下げるインスリンの効きを悪くします。この手のひらの広さのポケットから、毒素が血液に入って全身を回るためです。

この研究結果をもとに、最近では歯周病治療によって血糖コントロールが改善したという研究が数多く報告されています。

患者さん自身の日々のブラッシングと、歯科医院で炎症の原因となっている食べかすや歯石を確実に取り除くことで、歯肉の炎症をコントロールし、インスリンがよく効くように体質が改善され、血糖コントロールが改善します。

6)指しゃぶりや爪かみの習癖

指しゃぶりや爪を噛む癖は、食事の時の噛むのとは異なり、歯を横に倒す力が持続的にかかります。特に、前歯にはその傾向が強く見られます。

そのため、歯の周囲の組織に負荷がかかるため、歯周病が発生しやすくなります。

7) 喫煙

最近増えてきている加熱タバコであっても、タールやニコチンが少ないにかかわらず、その他の有害物質が多量に含まれています。

この有害物質が歯肉の血流を悪くさせ、歯肉を刺激するため、歯肉はダメージを受けている状況です、そのため、歯周病にかかりやすくなります。

近頃は「禁煙外来」を設置する病院も増えてきました。禁煙外来で相談してみてはいかがでしょうか。

4、歯周病と歯肉炎の違い

上記で挙げたように、歯肉炎が進行したものが歯周病ですが、その進行する背景には様々な要因があります。

あてはまる項目がありましたら、1つづつ解決するように歯科医師に相談してください。

  • 記事の監修

吉村 佳博

「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」院長。一般診療から審美・美容まで幅広く歯に関して取り組んでいる。大阪歯科大学を卒業し、大学院では博士課程を修了。JR大阪鉄道病院に就職の後、平成7年6月に「よしむらファミリー歯科」を開院。平成18年5月には「スマイリー歯科」を開院した。

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