こんにちは。「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」の院長を務める吉村 佳博です。
昔は朝食と夕食のみの1日2食でした。その食事の間に食べる食事を間食(おやつ)と言います。そのタイミングがおよそ八つ時(午後3時前後)だったことから、間食が「おやつ」と呼ばれるようになりました。昔は普通の食事でしたが、現代では糖分のある甘いものを摂ることが多く、糖分は歯にとって虫歯の原因となる大敵です。
1、虫歯になりやすい食べ物・飲み物
虫歯になりやすい食べ物は、糖分が多い甘いもの、しかも歯にくっつきやすいものはさらにリスクが上がります。チョコレート、ウェハース、ボーロ、ジュース、ケーキがその代表です。
アメやキャラメルなどは、糖分が歯にべったりとくっつきます。噛むところの溝に入ると、なかなか取れません。虫歯の原因菌は糖分を取り込んで酸を出し、その酸が歯を溶かして虫歯となります。アメなどは一つで終わらずに何個も食べることが多く、お口の中が長時間酸性の状態になります。
スポーツをされる方は、水分とミネラルの補充のため、スポーツドリンクを飲むことがあると思います。糖分が多く含まれ、運動中は口の中がカラカラになります。虫歯の原因菌が糖分を分解して酸を作りますが、唾液で流れにくい状況です。
この時間が長く続くと、虫歯になりやすい危険性があります。そのため、運動中はスポーツドリンクを多く飲むことはお勧めしません。水分補給にはジュースやスポーツドリンクではなく、水分麦茶を中心にミネラルを補充する程度で飲むのをお勧めします。
2、間食におすすめの食べ物・飲み物
では、どのような食べ物が間食にいいのでしょうか。虫歯になりにくい食べ物、あごを鍛える食べ物などが挙げられます。それぞれ見ていきます。
(1)糖分が少ないもの
糖分が少ないものとして野菜類が挙げられます。キャベツやセロリ、ニンジンなどは食物繊維も多く、歯の表面の汚れを洗い流してくれる効果があります。果物ではイチゴにはキシリトールが沢山ふくまれていますが、果物には果糖も多く含まれるため、その点を考慮して食べ、歯磨きをする必要があります。
お菓子類は糖分が多いものが多数ありますが、せんべいやクラッカーはその中でも虫歯のリスクはやや低い方と言われます。また落花生やマカダミアナッツなどのナッツ類は砂糖が少なく歯にくっつきにくいので、虫歯になりにくいお菓子です。
乳製品の中では、チーズ、無糖のヨーグルトが虫歯になりにくい食品です。加糖のヨーグルトカルシウムが沢山含まれていますので、歯やあごの骨にとっても良い食べ物と言えます。
海産物では、まず魚介類としてイワシ、ワカサギなど、小魚系のものは糖分が少なく、一方でカルシウムが豊富でしっかり噛んで食べるため、唾液もよく出るため、虫歯の予防だけでなく、あごを鍛える面でもとてもいい効果があります。ピーナツと小魚などはよく食べられているおやつの1つです。海藻類では海苔、昆布、わかめ、ひじきなどをおすすめします。
(2)唾液の分泌量を増やす食品
虫歯になりにくい環境の1つに、唾液が多い状況があります。唾液が流れることで、歯についた汚れやプラークが洗い流されるという効果があります。しかも、虫歯の原因菌が作る酸を洗い流してくれるだけでなく、唾液の中にはカルシウムが微量ですが含まれており、虫歯で侵された歯の再石灰化も行なってくれます。
唾液をしっかり分泌させるには梅干し、レモン、酢の物などが有効です。またしっかり回数噛むことも唾液の分泌には重要です。
(3)食物繊維の多いもの
食物繊維は、歯の表面のよごれを掃除してくれる効果があります。またしっかり何度も噛むようになるため、唾液の分泌も増えます。ごぼう、セロリ、ニンジンなどが挙げられます。
(4)糖分の少ない飲み物
もちろん糖分が少なほど、虫歯のリスクが減らせます。中でも、緑茶や紅茶などカテキンやポリフェノールが含まれる飲み物をお勧めします。ポリフェノールには抗菌作用があるため、虫歯予防になります。
3、しっかり噛むために間食におすすめの食べ物
虫歯の予防にはしっかり噛むこと、そして乳歯の時期には永久歯を強くする食べ物もしっかり食べるようにしましょう。
ビタミンAを多く含むものとして、鶏肉、豚肉、牛のレバー、緑黄色野菜(にんじん、ほうれん草)などは、エナメル質を強くする働きがあります。
永久歯を作っている時期のお子さんにはぜひしっかり摂取してほしいと思います。同様に、ビタミンCを多く含むものは、歯の大半を占める象牙質を作る時に必要です。ピーマン、レモン、キウイ、いちご なども合わせて食べるようにしてください。