すべての歯に幸せを届けるデンタル情報・歯科メディアのHA!PPY (ハッピー)です。スマイリー歯科の院長である吉村 佳博氏の監修の元、サイトを運営しております。歯に関するお悩みなども気軽にお問い合わせください。

歯の定期検診は必要?通う人と通わない人の違いは?

投稿日:2021年1月27日 更新日:

こんにちは。「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」の院長を務める吉村 佳博です。

歯の定期検診とは

職場や市区町村での健康診断を年に1−2回受けている方が多いかと思います。血圧測定、採血、心電図、視力検査、胸のレントゲン撮影など、多くの検査を受け、何らかの病気のリスクがあるのかを調べています。

一方、歯の定期検診というと、小中学生時代の年1回の歯科検診を思い出す方がおられるかもしれません。今回取り上げる歯の定期検診は、この健康診断のようなもの、いわゆる「メンテナンス」にあたるものです。年に数回を目安に、歯科医院で行うものです。

歯の定期検診の内容

(1)レントゲン検査

まず、上下のあご全体が確認できるレントゲンを撮影し、お口の確認をします。毎回撮影するのではなく、数回おきに撮影する場合もあります。

このレントゲンでは、あごの関節の形態や周囲の状況、鼻の外側でかつ上の歯の上側にある空洞(上顎洞)の状況、上下の歯のおおまかな状況(虫歯の有無、歯根が折れている、など)、歯を支える骨の状況(歯周病で骨が下がっていないか、など)、あごの骨に骨を溶かすような病変がないか、など様々な視点からチェックをしていきます。ただ、レントゲンは歯や骨などの硬いものしか写らないので、柔らかいところにできたものはわかりにくいです。

(2)診察

前回から今回の受診までの間の日常生活での変化、気づいたことなどをお聞きします。歯やお口の痛みだけでなく、病院で治療したこと、普段の内服薬が変わったことなど、様々な内容を確認していきます。

そして実際にお口の中を拝見し、虫歯の有無、歯肉の炎症や粘膜疾患の有無(色や見た目などの変化)、かぶせ物が外れていないか、などを確認して、記録していきます。必要に応じて写真を撮影することもあります。

(3)歯ぐきの検査

歯ぐきの状態としていくつかの項目を確認していきます。まずは歯周ポケットの深さをみます。

そして深さを計測する時にポケットからの出血の有無を確認しつつ、歯ぐきに埋もれた歯石の有無も確認します。歯の動揺の有無を1本1本確認して、細かく記録していきます。

(4)歯石除去

歯磨きを頑張っている方でも、磨き残しや磨きにくい所が多数あります。そこには食べかす(プラーク)が歯石となって付着します。歯ぐきの上の見える部分の歯石は白いのですが、歯ぐきの中に隠れた歯石は黒く、とても硬いという特徴があります。これらの歯石を超音波の機械と専用の器具で除去していきます。

歯石が多量に付着している場合は、数回に分けて行います。歯石を取っただけでは歯の表面がざらついており、すぐに歯石がつきやすい状態ですので、専用にブラシとペーストで細かい歯石を除去し、歯の表面をツルツルにしていきます。

以上の処置について、虫歯や歯周病になりやすいリスクをもとにして定期検診の間隔を決めます。磨き残しが多い方は2か月おき、虫歯のリスクが少ない人は3−6か月おき、などです。

通う人と通わない人の違い

(1)定期検査に通う人について

定期検診を受ける人は、治療すべき虫歯などの早期発見、早期治療ができます。上記の定期検診は1−2回の通院で終わります。また、痛みを伴う処置もありません。しっかり噛めるため栄養状態も良く、よく噛むことで脳血流が刺激され、認知症予防など脳の活性にも良い影響をもたらします。また口臭の原因も減らすことができ、なにより、人と会って話をする時、綺麗な口元を維持することができます。これは社会生活において、とても重要です。

つまり定期検査を通う人にとって、歯科医院の受診目的は歯を良好な状態を維持することです。これには痛い治療もなく、歯石除去などで綺麗にもなるので、あたかも美容室に通うような感覚で受けています。これが年に数回だけで済みます。ビル・ゲイツなど世界の大企業のトップは、このメリットおよび重要性をよく理解しており、歯科の定期検診を受けています。

(2)定期検査に通わない人について

一方、歯科医院の定期検診に通わない方にとっては、歯科医院は痛くなってから行く場所、痛い処置をされる場所、治療にお金がかかる、という負のイメージをお持ちの方が多いです。磨き残しや歯石の沈着のみならず、多数の虫歯、歯周病など、様々な治療が必要なことがほとんどです。当然治療も順番に1つずつ解決させる必要がありますので、通院回数もかかり、そして治療時間もかかり、ひいては治療費もかかります。

このように、定期検査に通わない人にとっては時間、費用、痛みという苦痛などデメリットしか感じていません。

しかし、ここであきらめてはいけません。まずは必要な治療を最後まで受けて、終わらせましょう。そしてそこで通院を止めるのではなく、そのお口の状態を維持するために、歯の定期検診にも通うようにしましょう。痛みがなく、しっかり噛める状態が維持できれば、日々の生活ももっと楽しいものになるはずです。

  • B!