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虫歯がひどくなると肩こりがひどくなる原因

投稿日:2020年11月20日 更新日:

こんにちは。「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」の院長を務める吉村 佳博です。

虫歯が多くてひどい方ほど、肩こりを訴える方が多くおられるように思います。逆に、咬み合わせが良い方においては、肩こりで悩まれる方はそう多くないように思います。

今回は虫歯がひどくなることと、肩こりがひどくなることとの関係について見ていきます。

1、虫歯で咬み合わせが変化する

虫歯によって最初に起きる変化は、咬み合わせの変化です。虫歯により痛みがあると、その虫歯のある側では食事が噛みにくくなり、おのずと避けるようになります。

両側で噛んでいたのが、痛みの無い側でしか噛めない、という状況になります。この噛み方を続けると、あごの周囲の筋肉にも左右のバランスの変化を引き起こします。

また。お口は髪の毛1本噛んでもわかるくらい、とても繊細な器官です。虫歯によって歯の高さが低くなり、咬み合わせがごくわずかでも変化すると、その違和感などでお口の周りの筋肉にも負荷がかかってきます。

特に臼歯が数本連続して無くなってしまうと、咬み合わせの変化がとても大きく、お口の周囲の筋肉に筋肉痛が現れます。

2、噛み合わせがあごの周囲の筋肉に影響する

あごの周囲には、お口を開ける筋肉(咬筋、側頭筋、内側翼突筋など)と、お口を閉じる筋肉(顎二腹筋、オトガイ舌骨筋、顎舌骨筋など)が左右それぞれにあります。虫歯によって生じた咬み合わせの変化により、お口の開け閉めのバランスや左右のバランスが変化していきます。

特にこのお口を開ける筋肉は、肩甲骨や鎖骨などと直接的・間接的に繋がっています。お口を開ける筋肉のバランスの変化は、肩の筋肉のバランスにも波及することになります。

3、あごと全身の姿勢の関係

お口を開ける筋肉のバランスの変化によって、肩の筋肉のバランスに悪影響をおよぼします。そして体は全身でその釣り合いを取ろうとします。肩のアンバランスにより背中が曲がったり、骨盤が微妙に傾いていく、という変化をしていきます。そこまで影響が波及しないよう、肩こりがよく起きるようになったと自覚したら、噛み合わせの治療・もしくはチェックを受けるようにしましょう。噛み合わせの治療・調整を受けるだけで肩こりや全身の姿勢が劇的に変化する方もおられます。

4、どうすればいいか

まずは虫歯の治療です。虫歯で失った本来の噛み合わせを早急に取り戻すために、虫歯の部分を除去し、詰め物やかぶせもの、本数が多い場合はブリッジや入れ歯などの治療を受ける必要があります。治療の回数がどうしてもかかってしまいますが、肩こりの原因になることを考えれば、治療を最後まで受けることが必要です。

虫歯の治療が終わったら、次は両方のあごで噛むように意識しながら食事をすることが必要です。いわば、お口の周りの筋肉のリハビリを行う必要があります。肩の左右のアンバランスによって背中が曲がったり、骨盤が微妙に傾くといった影響まで現れた場合、あごやその周辺の筋肉への影響は、虫歯を治してもしばらく続いてしまう可能性があります。

治療終了後もしっかり噛むこと、しっかりお口を開けることを念頭に、しばらくリハビリを継続して行います。

5、今後肩こりの症状に悩まないためには

虫歯は初期段階では無自覚のことがほとんどですので、虫歯が進行して神経(歯髄)の近くまで到達していると、痛みを感じるようになります。

そのため、虫歯による肩こりを防止する方法としては、虫歯の早期発見と早期治療です。特に虫歯を初期段階で治療して終わらせておくことが大切です。

歯科医院での定期的なメンテナンスは、レントゲンで虫歯の可能性があるかを確認し、歯石を除去し、直接お口の中をすみずみまで見ることにより、虫歯の予防と早期発見につながります。

自宅の近くにあって休みの日に通院できる歯科医院や、職場の近くにあって帰る途中に立ち寄りやすい場所にある歯科医院で、かつ相談がしやすい雰囲気の歯科医院をかかりつけとして持ちましょう。そして年に数回は歯石除去などのメンテナンスを受けるようにしましょう。

また、ほお杖をついたり、机にうつ伏せで寝るなどの癖はありませんか?これらの癖はあごにとって一方向への持続的な力をかけ続けることになります。これらの癖があることを意識し、やめていくことも必要です。

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