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メタルタトゥーとは?簡単に元に戻すことは可能なの?

投稿日:2022年1月6日 更新日:

こんにちは。「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」の院長を務める吉村 佳博です。

メタルタトゥーとは?

メタルタトゥーとは、歯で使われた金属が一部溶け出し、歯ぐきに染み付いた銀色〜黒色の着色をいいます。

お口の中は、常に唾液によって湿度が保たれています。また日々摂取する飲みものや食べものによって、温度、酸など様々な刺激が歯にかかります。銀歯は、そうした変化の激しい状況下に置かれていますので、イオンになって溶け出したりするため、歯ぐきへの着色、時には金属アレルギー・扁平苔癬(へんぺいたいせん)といった症状を引き起こします。

保険診療で使える金属(金パラ)が多くの金属からなる合金であり、保険で金属の差し歯、かぶせ物による治療を受けた際のデメリットの1つといえます。ゴールドなど錆びにくい金属では、まずこのようなメタルタトゥーになることはありません。

メタルタトゥーが前歯に見られると当然、笑った時の見た目の印象が悪くなるため、除去を希望される方が多いです。

メタルタトゥーを放置していいのか

まず、メタルタトゥーが今まで以上に広がる可能性があります。見た目がさらに悪くなるだけでなく、それだけ銀歯の成分が溶け出しているということになります。

新たに金属アレルギーを発症したり、扁平苔癬という粘膜の病気を発症するリスクが高くなります。扁平苔癬は、他の疾患に比べてがんになりやすいと言われる「前がん病変」の1つです。一度発症すると、なかなか治癒が難しい疾患です。

また、金属が溶けているということは、かぶせ物や土台そのものが劣化していく可能性も十分考えられますので、また新たに虫歯ができたり、歯が割れる可能性が高くなります。

メタルタトゥーを除去する方法とは

まず、かぶせ物や土台の金属を除去すると、メタルタトゥーが薄く消えていく可能性があります。もし新たな虫歯などでメタルタトゥー近くの歯の治療が必要な状況であれば、金属以外の被せ物・土台へ変更することも御検討ください。

歯科治療の中には、歯ぐきの表面だけをはがし、新しく歯ぐきの再生を促す処置(ピーリングといいます)があります。喫煙やメラニンによる変色・沈着に使われる方法です。ピーリングには2つの方法があります。それぞれ1回の処置だけでは効果が不十分で、効果を見ながら複数回行うことが多いです。

1)ケミカル・ピーリング

ケミカル・ピーリングとは、エタノールなどの薬液を使い、歯ぐきの金属の溶解成分が沈着している部分だけを除去し、その後は新陳代謝によって歯ぐき本来のきれいなピンク色の歯肉をとり戻す処置です。施術後2週間程度で効果が出てきます。

2)レーザー・ピーリング

レーザー・ピーリングとは、レーザーを使ってメタルタトゥーのある歯ぐきを除去する治療法です。レーザーには歯ぐきを除去するだけでなく、傷を早く治すように促す作用もあります。

これら2つのピーリングは、メタルタトゥー除去の効果はありますが、金属のかぶせ物、土台がある限り、処置をしてもまたメタルタトゥーが再発する可能性があります。

根本的な原因となっている金属のかぶせ物・土台を取り除き、より見た目の良い美しい歯にやりかえることをお勧めいたします。

メタルタトゥーの再発を防ぐ方法

最近では金属をできるだけ使わず、より天然の歯に近い仕上がり治療ができるようになりました。そのため、使用する素材によって保険診療では対応できませんが、今まで以上に満足度の高い審美歯科治療がトレンドになってきています。

グラスファイバーという特殊な繊維を使った「ファイバーコア」という強さと適度なコシのある土台と、天然の歯と同じような色調、光沢を出せるセラミックという被せ物を組み合わせることで、メタルタトゥーが新たにできることを予防しつつ、今まで以上に見た目の美しい歯を手に入れることができるようになりました。

また部位にもよりますが、最近では「セレック」という最新システムが販売されました。オールセラミックのかぶせ物を院内で製作するシステムで、導入する歯科医院も増えてきました。午前中にお口の中の写真を撮影し、その日の午後には入れることができる、という画期的なシステムです。

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