こんにちは。「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」の院長を務める吉村 佳博です。
歯並びが悪い場合、歯がデコボコしていて鏡などで見ると自分でもすぐに分かると思います。
しかし、自分の歯の大きさは他の人の歯の大きさと比較しないと分かりにくいため、あまり気にしたことがない人も多いかもしれませんが、自分の前歯の大きさや長さに悩んでいる人は意外と多いです。
自分の前歯が大きいと感じている人も、歯並びが悪い人と同様に、歯を見せて笑うことに自信がないと悩まれている場合があり、治したいと思われている人も多いようです。
そこで今回は、大きい前歯を治す方法についてご説明させていただきます。
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歯の大きさは矯正では変えられないため削って差し歯にする
歯並びが悪かったり、出っ歯だったりする場合の治療方法として、まず思い浮かぶのは歯の矯正かと思いますが、歯の矯正は歯が生える方向などを変えて整えるため、歯の大きさまで変えることはできません。
歯の大きさを小さくするためには、歯を削ることになりますが、歯を削ってしまうと、食事をした際などに冷たいものや刺激物が削った部分に触れることで、知覚過敏のような痛みを感じる場合があります。
そのため、大きい前歯を治したい場合は、虫歯の治療と同じように、歯を削って被せ(差し歯)にする必要がありますが、削った歯に差し歯を装着することによって、歯の大きさだけでなく、歯の形も多少変えることができる場合もあります。
ただ、歯の形を変えたり大きさを変えるのは歯並びなどの矯正と比べると難しく、特に前歯の場合は、噛むために必要な歯の強度も考慮する必要があるため、ミリ単位で削って大きさを変えていく場合がほとんどです。
ちなみに、前歯は歯の中央にある6本の歯のことで、以下の3種類の歯が上下に2本ずつ、合計12本あります。
- 中切歯(ちゅうせっし)
- 側切歯(そくせっし)
- 犬歯(けんし)
この前歯の中でも犬歯は、他の歯と重なりあって生えている叢生(そうせい)になっていると、八重歯(やえば)や乱杭歯(らんぐいば)と呼ばれ、その大きさを変えることはさらに難しくなります。
前歯を削ると歯そのものが弱くなってしまう場合がある
前歯の大きさを小さくするということは、虫歯になっていない健康な歯を削るということですので、以下のようなデメリットが3つあります。
- 歯を削る際に痛みが発生する
- 歯を大きく削る場合、歯の神経を取ってしまうことがある
- 神経を取った歯は弱くなりやすい
歯を削ることで痛みが発生する場合があり、大きく削る場合には歯の神経を取ってしまうことがありますが、神経を取ってしまった歯には栄養がいかなくなってしまうため、歯そのものが弱くなり、歯の寿命が短くなってしまうことがあります。
本来、80歳まで持ったかもしれない歯が60歳くらいで抜けてしまうことも考えらますので注意が必要です。
歯の大きさや形を治したい場合はまず歯医者に相談する
歯並びが悪いと虫歯になりやすかったり、噛み合わせが悪くなるなどがありますが、前歯が大きくても歯や身体の健康にとって不都合はありません。
しかし、歯の寿命が短くなったとしても歯を削って、今の前歯の大きさの悩みを解消したいと考えられる人もいらっしゃるかと思います。
そのような人は、まずどのような対処や治療をすればいいかを歯科医院に行って相談することをお勧めします。
美容整形でも元々の骨格によっては全てが希望通りにならないのと同じように、前歯が大きいからといって削るだけでは、ご自身の顔や他の歯とのバランスを崩してしまう可能性があります。
また、歯の大きさや形を無理矢理変えてしまうと、他の歯との間に隙間ができてしまい、かえって歯並びが悪くなってしまう場合もあります。
前歯の大きさについて、歯医者に相談することで、そもそも治療するかどうかについても含めて考えることができ、治療するとなった場合にもどのくらいの大きさがいいかについても相談することができます。
仮に、歯科医院に相談に来られた患者さんが上の前歯6本ともが大きいと思っていても、中切歯の2本だけ削れば見た目が大きく変わるといったこともあります。
また、上の前歯6本とも削って大きさを治すとなった場合、1日で6本とも削って差し歯にすることできますが、患者さんにも負担がかかるため、2本ずつに3回に分けて削るなどの治療の方針も考えることができます。
歯の根元まで削るような場合は歯の神経を取ることになりますが、歯を削る量によって、歯の神経を取らなくてもいい場合もあり、どこまで削った場合は神経を取るなどの明確な基準はありませんので、実際に治療したときの判断になります。
歯を削って差し歯にすることは虫歯治療と同じような治療方法ですので、歯の大きさや形を整えることは、料金はあまり変わりません。
最近は、治療したことが目立たないようにセラミックの差し歯を選択される人も増えています。
歯を削るときには痛みがあったり、削った部分を差し歯にしたりする必要がありますので、自分で削ったりせずに、まずは歯医者に相談しましょう。