こんにちは。「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」の院長を務める吉村 佳博です。
顎関節症や歯ぎしりでマウスピースをつけることはありますが、最近ではマウスピース矯正という新たな治療法が盛んになってきています。
これらに共通するのは夜間マウスピースを装着することです。夜間にマウスピースをつけることで起こるメリットについて見ていきます。
1、顎関節症の治療として
あごの関節周囲の痛み、お口を開け閉めする時の痛みやカクッカクッやジャリジャリとした音、お口が開けにくい、などの症状をひっくるめて「顎関節症」と言います。
原因には色々ありますが、咬み合わせに問題があったり、頰杖をつく、片方のあごでしか噛まないなど、あごにかかる負荷の左右のバランスが悪い場合に起こりやすい症状です。
あごにかかる負荷を和らげるため、寝ている間はマウスピースをつけて、あごにかかる負荷を軽減させます。
カクッカクッやジャリジャリとした音はなかなか消すのが難しいのですが、お口を開け閉めする時の痛みは徐々に軽減していきます。
2、歯ぎしりやくいしばりへの対応として
歯ぎしりは、上あごと下あごの歯をあわせてグッと強い力を加えることです。代表的な歯ぎしりは、あごを左右に動かしてギシギシといわせる「グラインディング」。ほかにも、歯を食いしばる「クレンチング」、何かを噛むような動きをして歯をカチカチと鳴らす「グラインディング」の2つがあります。
たとえば、朝起きた時すでにあごが疲れて重い感じがしたり、歯ぐきがずんと痛かったり重たいなど感じたことはありませんか?これらの自覚症状がある場合、寝ている間に歯ぎしり・くいしばりをしている可能性があります。
歯ぎしりやくいしばりは、かなり多くの方に見られます。しかも寝ている間に起きるため、本人は気づいていません。
マウスピースを装着することで、歯ならびをマウスピースで固定しつつ、上下の歯への接触具合が調整できますので、歯ぎしり中の力を歯全体に分散させることができます。
その結果、1本の歯にかかる負担を軽減することができ、歯が割れたり、折れたりすることを防止します。
コンポジットレジンなどの修復物の破損脱離の防止、セラミッククラウンなどの補綴物の破損や脱離を防止する方法としても有用です。
3、マウスピース矯正
歯列矯正は従来ワイヤーとブラケットによるものが主流でしたが、最近はマウスピースによる矯正治療も盛んになっています。
およそ2週間おきにマウスピースを交換することで、歯を目当ての位置に少しづつ移動させていきます。食事時以外はほぼつけておくくらいですが、見栄えも良いため、周囲の人に気付かれずに矯正治療が可能です。
4、マウスピースは歯科医院で歯科医師に作製、調整してもらいましょう。
マウスピースはオーダーメードなアイテムです。歯科医院で自分の歯型を取り、それに合ったものを作り、実際に使いながら当たり具合を調整していきます。これには、咬み合わせを理解している歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士のチェックが重要です。
自宅で簡単に作れるという市販品や、だいたいの歯並びに合うような大雑把な形をしたマウスピースなどもありますが、歯の大きさ、角度、噛み合う歯への当て方、あごを左右に動かした場合にどのように接触するか、など自分の歯の細かな特徴に合わせることができないため、効果は期待できないばかりか、歯に変な矯正力をかけることにもなりかねません。
基本的にマウスピース(歯ぎしりプレート)には保険が適用されます。レジンという硬い素材で仕上げる場合と、温めると柔らかくなるプレートで作る場合など、いくつか方法があり、価格が異なります。