普段、人と会って会話する際、まずどこを見ますか?また、笑顔をする時に、自信を持って歯を見せられますか?笑った時や会話の時に綺麗な歯が見えると、相手の印象はかなり良くなります。
よく人と会う機会が多い方は、時々美容室に行くのと同じような感覚で歯のクリーニングも受けてほしいものです。今回は歯のクリーニングについて見ていきます。
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歯のクリーニングとは
歯の汚れは、日々のブラッシングだけで全てを落とすことはなかなか難しいです。歯ブラシで磨きにくいような歯と歯のすき間には必ず汚れは付着しますし、茶しぶのように表面に着色するものは、日々のブラッシングでそう簡単には落ちません。
ネットを見ると「自宅でできる着色の落とし方」といったタイトルの記事がいくつか見られますが、その方法をよく見てみますと、歯の表面を削るなど、歯へのダメージが大きいような方法も見られ、全てがいい方法とは言えません。
歯の着色の原因は、ポリフェノール類を多く含む食品やタバコのヤニと、歯の表面を覆う「ペリクル」というタンパク質が結合したものです。
このポリフェノール類を多く含む食品はたくさんあり、タンニン(茶渋、柿渋、赤ワインなど)、イソフラボン (大豆イソフラボンなど)、クロロゲン酸 (コーヒー)、アントシアニン(ブルーベリー、ブドウ、プルーンなど)、イオウ成分 (玉ねぎ、ネギなど)、ビタミンB群(B2は黄色、B12はピンク色)などがあります。
この他にも、色素の濃い調味料 (しょう油やソース、ケチャップなど)、カレー、人工着色料を使っているもの(お菓子・ジュース) なども歯の着色の原因となります。
クリーニングの主な内容について
一般的には、まず歯垢や歯の汚れの染め出し液を使って、磨き残しがどのあたりに見られるかをチェックします。日々の歯磨きでどこが磨けていないのかが染め出し液で見やすくなります。
その後、スケーラーという鎌のような専用器具を使って歯石除去を行い、専用のブラシとペーストを使って歯の清掃と研磨をし、最後の仕上げに歯を強くするフッ素を多く含む薬剤を表面に塗布して終わります。
クリーニングが必要なのはどんな人?
歯磨きの理想は、毎食後にしっかり時間をかけて磨くことです。その時に使う器具も歯ブラシだけでなく、デンタルフロスなども使って磨くことが理想です。
普段から歯磨きする時間がなかなか取れない方、歯並びに乱れがあり磨きにくいところがある方には、汚れが専門的なクリーニングは虫歯・歯周病予防に必要です。
また、タバコを吸う方、先ほど述べた着色しやすい食品をよく摂取する方も、時間をかけてゆっくりと徐々に歯に着色していきますので、定期的なクリーニングが必要です。
歯のクリーニングはどのくらいの頻度がいいのか?
歯科医院の定期検診は、一般的に3か月から6か月に1回の割合での受診が適切です。クリーニングと合わせて、歯肉や歯周組織の状況の確認、虫歯の有無などのチェックもしてもらえますので、この歯・歯ぐきなどのチェックをメインとして、歯のクリーニングをその時に合わせて受ける、という方がいいでしょう。
もともとお口の中に問題がなく、歯磨きが適切に行えている場合は、半年に1回の受診でも問題はありません。
一方、普段から仕事が忙しい、生活が不規則などの理由で歯磨きの回数そのものが少なかったり、歯磨きをしてはいるが、うまく磨けていないため虫歯が多く見られる方、すでに歯周病の症状がある方は、虫歯や歯周病の(ハイ)リスクな方と考えられます。
食べかす(プラーク)は歯に付着後、4~8時間後から石灰化が始まります。2日目には約5割が、全体の約9割は2週間で歯石になると言われています。
歯磨きを怠る、もしくは磨き残しがあることは、歯石がつきやすくなることがご理解いただけるかと思います。
歯石を足場にして、細菌がいっぱい繁殖します。このような方は、2か月〜3か月おきといった、もっと短い間隔での定期的な管理(メンテナンス)をすることがあります。
まとめ
歯周病を今以上に悪化させず、現状を維持することも、とても重要です。そのためには定期的な通院がとても大切です。
歯周病治療後に定期的なメンテナンスを怠ると、また歯周病が再燃します。自分の口腔ケアが日々どの程度できていて、どれくらいの間隔でクリーニングを受けるべきかを歯科医師、歯科衛生士とよく相談して決め、万一間隔が空いてしまっても、改めて受診日を決めてクリーニングを受けるようにしましょう。