こんにちは。「南森町スマイリー歯科」「よしむらファミリー歯科」の院長を務める吉村 佳博です。
本日はホワイトニングの先進国と言われているアメリカでの歯科医療事情と、そして日本の歯科医療のこれからについてお話できればと思います。
日本とアメリカの歯科医療にどれくらいの違いがあるのか、あまり重要ではないかもしれませんが、覚えておいて損はないかもしれません。
ヘアカラー感覚でホワイトニング、アメリカで歯科医療が盛んな理由
アメリカでは外見で「歯の綺麗さ」が日本よりも重視されています。その為、ホワイトニングなどの歯科医療も一般的です。
アメリカでホワイトニングなどの歯科医療が積極的に行われる背景には3つの要因があります。
1、キスが挨拶がわりに行われる文化
まず、アメリカでホワイトニングを含む歯科医療が積極的に行われる背景には、日本よりもボディータッチが多い文化があります。
日本では恋人などごく限られた間柄でしか、キスは行われません。しかし、アメリカではキスやハグは挨拶がわりに行われます。
当然、人との距離が近づくことが多いので、アメリカでは日本以上に歯の綺麗さや口臭の有無が問われることが非常に多いです。
2、強力なホワイトニング剤が手軽に手に入る環境
アメリカでは日本よりも手軽に、そして強力なホワイトニング剤が手に入ります。
日本では歯科医院でしか施術できない過酸化水素・過酸化尿素10%以上の強力なホワイトニング剤も、自己責任のもと、個人でも気軽にスーパーなどで購入できます。
つまり、アメリカではホワイトニングを歯科医院でやる必要はほとんどありません。
アメリカ人からしてみれば、ホワイトニング剤を購入することは、日本人がスーパーでヘアーカラーリング剤を購入するぐらいの気分で、歯のホワイトニングは一般的なオシャレ、身だしなみの一環と言えるでしょう。
3、虫歯などの治療費が高額になる医療制度
最後の理由は、アメリカの医療制度では虫歯などの治療費が高額であることです。
「今の歯をいかに白く、健康に保つか」に関心が高いのです。
例えば、アメリカでは、半年に1回ほど「チェックアップ」と呼ばれる歯医者で行う歯のクリーニング兼、虫歯チェックを習慣化している人がほとんどです。また、日本ではまだ限られた人しか行っていないフロスや歯間ブラシは常識です。
つまり、アメリカでは日本に歯の白さや健康に意識が高く、ホワイトニングなどの審美歯科やチェックアップなどの予防的な歯科医療が一般的なのです。
ホワイトニング先進国アメリカと日本の歯科医療の違い
一方、日本の歯科医療事情はホワイトニング先進国アメリカとは随分違います。
アメリカではヘアカラーのように一般に行われているホワイトニングやチェックアップの習慣はまだ珍しいことが日本の現状です。
アメリカと日本の歯科医療事情の違いは、大きく2つあります。
強力なホワイトニング剤の認可がおりにくい日本の歯科医療事情
日本とアメリカのホワイトニング事情の違いは、ホワイトニング剤の認可のスピードにあります。日本ではホワイトニング剤の使用許可は厚生労働省の管轄です。
しかし、日本では、アメリカのスーパーで売られているような酸化水素・過酸化尿素10%以上の強力なホワイトニング剤はなかなか認可されません。
認可されたとしても、そのような強力なホワイトニング剤は歯科医院での施術が一般的で、自宅で行うことは難しいのです。
そのため、日本で本格的なホワイトニングを行おうと思えば、歯科医院に通院する必要があり、自宅で手軽にホワイトニングを行えるアメリカよりも、どうしても敷居が高くなってしまいます。
虫歯治療もリーズナブルな日本の健康保険制度
もう1つ、日本とアメリカの歯科医療の違いは治療費です。
日本ではたとえ虫歯になっても、充実した健康保険制度のおかげで3000~6000円ほどで虫歯を治療することができます。
そのため、日本人は「虫歯になれば治療すればいいか」と思いがちで、歯の予防治療(歯のクリーニングやチェックアップ)を疎かにしがちです。
歯科医が予想!アメリカ化する日本の歯科医療
ホワイトニングや歯科医療に関して、これほどの違いがある両国ですが、今後日本の歯科医療はアメリカ化すると予想できます。
少子高齢化が進む日本では、これから今のような充実した健康保険制度を維持することは難しくなるでしょう。
また個人の意識としても、お金も時間もかかる治療より、お金がかからず痛みも伴わない予防へ変化していき、歯の美しさや健康を重視する人の割合は増えていくことでしょう。
徐々にですが、日本でもホワイトニングや定期的なチェックアップを歯科医院で受ける人が増えてきました。
今後もこの傾向は続き、将来的には今よりももっとホワイトニングや歯科医院でのチェックアップは日本で定着していることでしょう。